シュンギクの育て方と栽培のコツ

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シュンギクはヨーロッパ原産のキク科の野菜で、生育適温は15℃~20℃と冷涼な気候を好みます。

関東では中葉種、関西では大葉種が栽培されていることが多い。収穫までの期間も短く連作も可能なので、初心者向け・プランター栽培にもおすすめの育て方が簡単な野菜です。

シュンギクは特有の香りがあり、ビタミンB2・ビタミンC・カロチンなどのビタミン類の他、カルシウム・カリウムなどのミネラルが豊富に含まれた健康野菜。

シュンギクの代表的な料理は、鍋物をはじめ、胡麻和え、おひたし、みそ汁の具など。

シュンギクはアブラナ科の野菜に発生する害虫を防ぐ効果があるため、コンパニオンプランツとしても最適な野菜です。

 
このページの目次
シュンギクの栽培カレンダー
シュンギクの上手な育て方のコツ
育てやすいシュンギクの品種は?
シュンギクの種まき
苗の植え付け方
水やり回数と与える量
追肥の頻度と与える量
病害虫対策
シュンギクの収穫時期
 
 

シュンギクの栽培カレンダー

シュンギクの種蒔き時期は4~5月と9~10月
収穫時期は種まきから2~3か月後
 

シュンギクを上手に育てるポイント!

  • 発芽適温と生育適温は15~20℃。
  • 直播き・ポット植えの両方が可能
  • 暑さ・寒さ共に強く病害虫にも強い
  • 好光性種子なので覆土は薄めにしておくこと
  • 春植えは防虫対策として寒冷紗をかける
  • 秋植えは防寒対策としてトンネル掛けをする
  • 多肥性の野菜なので元肥をしっかりと施す
  • 主枝を収穫後に株を残しておくと長期間収穫が楽しめる
 

シュンギクの品種と選び方

シュンギクは大きく分けると「大葉」「中葉」「小葉」に分かれ、摘み取り向きの品種と株取り向きの品種があります。

基本的にシュンギクは病害虫に強い野菜なので、どの品種を選らんでも比較的簡単に育てられます。

育てやすいおすすめの品種は「きわめ中葉春菊」「中村系春菊」「おたふく春菊」「さとゆたか春菊」「おびつ春菊」など。
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シュンギク栽培に適したプランターと土づくり

シュンギクに適したプランターの大きさ

シュンギクを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ(60㎝程度)以上のものを使用しましょう。

小型の植木鉢でシュンギクを育てる時は、1つの鉢に1株としましょう。1つの鉢に苗をたくさん植えると収穫量が減ってしまいます。


シュンギクに適した用土

シュンギクの栽培用土は市販の培養土を利用するのが簡単ですが、自分で作る時は
赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1
それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり10gを混ぜ合わせます。

植え付けの2週間前には土作りを済ませておきましょう。


シュンギクを植える時の用土の量

プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の8分目程度(淵から2~3㎝)にしておきます。

シュンギクは定植又は種を植える約2週間前には土づくりを完了させておきましょう。

 
 

シュンギクの種撒き

種から育てる

春菊の種まきは年に2回、春と秋です。

初心者は春まきよりも秋まきの方が栽培しやすく質の良いものが収穫できるでしょう。

春まきは塔立ち(主枝が伸びて花が咲くこと)するので株ごと切り取って収穫、一方、秋まきは株元を少し残して収穫すれば側枝を伸ばして何度も収穫を楽しめます。


シュンギクの種まき

直播する時は支柱や木の棒で深さ約1㎝の溝をつけ、種が重ならないようにすじまきしましょう。

種を撒いたら周辺の用土を薄く被せて軽く上から手のひらで抑えてやります。

ポットに種を撒く時は4~5粒程度種を撒き、発芽が揃ったら間引きをします。その後は葉が重なるごとに間引きを行い、最後に1本立てにしましょう。

本葉が4~5枚になってから定植します。

 

シュンギクを苗から育てる

苗から育てる

シーズンになるとシュンギクの苗がホームセンターや園芸店で販売されます。栽培する株数が少ない時やプランターで育てる時は苗を買ってきて育てるのも良いでしょう。

シュンギクの良い苗は、葉の緑色が濃く節目が詰まったもの、害虫の食害跡がないもの、病気に掛かっていないもの。本葉は4~5枚程度のものを選ぶようにしましょう。
 

シュンギクの苗の植え付け方

シュンギクの苗の植え付け方

シュンギクの苗を植え付ける時は株間15㎝以上、条間15㎝以上あけるようにします。

ポットより一回り大きな植穴を掘り、根鉢を壊さないように丁寧に植え付け株元の土をしっかり手で抑えましょう。

植え付けた後は、定着するまでの1週間程度たっぷりと水やりを。定植後は2週間に1回程度のペースで追肥を行います。
 

シュンギクの間引きのタイミングは?

シュンギクの間引きのタイミングは?

シュンギクは種を直播した時は合計3回間引きを行います。

1回目は発芽が揃った時に込み合ったところを間引き、2回目は本葉が2~3枚に育った時、3回目は草丈が4~5㎝になった時が間引きのタイミングです。


植え付け後の管理

3回目の間引きでは株間が15㎝になるように生育の良い苗だけを残しましょう。間引いた苗はおひたしやサラダにすれば美味しく食べられます。

 
 

水やりの量と与えるタイミング

水やり頻度と与える量は?

種を撒いたあとは発芽が揃うまではたっぷりと水やりを行いましょう。

水やりのポイントは種が流れてしまわないようにハス口をつけたジョウロで丁寧に行うこと。勢いよく水やりを行うと種が表面に浮き出てしまる原因になります。

シュンギクの灌水管理

種まきから7~10日で発芽が揃いますが、その後は用土の表面が乾かない程度に水やりを行いましょう。

 

追肥の量と与えるタイミング

追肥の頻度と与える量

シュンギクは多肥性の野菜です。肥料切れにならないように育てるのがポイント。2週間に一度、化成肥料を株元にパラパラと撒き周辺の土と混ぜ合わせて株元に寄せてやりましょう。

プランター栽培の場合は2週間に一度、水やりを兼ねて液肥を与えるのも効果的です。

 

シュンギクの病気対策と害虫対策

病気対策と害虫対策

シュンギクに発生しやすい病気は、「モザイク病」「炭そ病」「べと病」などです。病気の発生を防ぐには密植を避け高温期や梅雨時は栽培を控えるようにしましょう。

特にアブラムシが原因で感染するモザイク病は、感染すると治療が出来ないので注意。

シュンギクに発生しやすい害虫は「アブラムシ類」「ハモグリバエ類」「ヨトウムシ類」です。害虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。

大量に発生した時は薬剤の利用も検討してください。連作と密植を避け水はけと風通しの良い土壌で育てることがシュンギクの病気と害虫をふせぐ最大のポイントです。

 
 

シュンギクの収穫の方法とタイミング

収穫方法とタイミング

シュンギクは種まきから2~3か月で収穫適期を迎えます。草丈が15㎝を超えた時が収穫のタイミング。

春まきでは塔立ちしてしまうため株ごと抜き取って収穫し、秋まきは下葉を3・4枚残して収穫すれば長期間の収穫が可能。

秋まきでは残した下葉から側枝が再び伸びて2~3回は収穫が楽しめます。何度も収穫を楽しめたい時は「さとゆたか」などの摘み取り用品種を選ぶようにしましょう。

シュンギクは名前の通りキク科の植物です。

実はシュンギクを食用にするのは日本をはじめ東南アジアの一部の国だけ。ヨーロッパでは観賞用としてしか利用されることはありません。

春まきは収穫せずに株をそのまま残すと菊に似た黄色の可愛い花を観賞することが出来ます。

 

シュンギク栽培のコツまとめ

シュンギクは関東以北は「シュンギク」関西では「キクナ」と呼ばれ、品種によって葉の形や茎の太さが違います。好みの品種を選んで育てるのも楽しみの一つ。

初心者向けの簡単な野菜ですが、乾燥させすぎると葉の縁が黄色くなって生育が悪くなります。栽培の最大のコツは水やりのタイミングです。

また、寒冷地での秋植えは冷害を受けることがあるので、トンネル掛けをするなど冷害対策をしっかりと。冷害を受けると葉が黒く傷んでしまいます。

秋まきで摘み取りを行う時はトンネル掛けを不織布と寒冷紗の二重にすると冬越しをさせることも可能。

冬場まで株を持たすことが出来れば、お鍋の季節に重宝することでしょう。

 
 
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