四角豆(シカクマメ)の栽培方法。プランターや露地でシカクマメを栽培をしてみませんか?ちょっとしたコツさえ知っていればシカクマメ栽培は難しくありません。シカクマメを育てるのが初めての方に分かりやく育て方をレクチャーします。シカクマメ栽培にチャレンジしてみましょう!
シカクマメ栽培
難易度 ★★☆☆☆
シカクマメ(四角豆)は熱帯アジア原産のマメ科の野菜で、日本で栽培すると冬には枯れてしまいますが多年草です。草丈は2~3mになるので夏の緑のカーテンとしても利用できます。
名前の由来は切った時の形が四角形であることから付けられています。
シカクマメは夏に実を収穫して秋に芋掘りが出来る一度で二度楽しい野菜です。莢・弦先・地下茎を食用にすることが出来るので家庭菜園での人気が年々高まっています。
シカクマメに含まれる栄養価はビタミンB・ビタミンC・鉄分・カルシウム・食物繊維などが豊富に含まれる健康野菜です。
科目 |
マメ科 |
連作障害 |
あり(4~5年) |
土壌酸度 |
pH6.0~6.5 |
栽培スペース |
畝幅0.5m×0.5m |
発芽適温 |
25~30℃ |
生育適温 |
20~30℃ |
種まき時期 |
4月~5月 |
発芽日数 |
種まきから7~10日 |
苗植え付け時期 |
5月中旬~6月下旬 |
収穫時期 |
種まきから約3.5か月 |
シカクマメの種まきは4月から
苗の植え付けは5月から
収穫時期は8月上旬以降です。
シカクマメを栽培するときのプランターサイズですが、標準タイプ(60㎝程度)以上の深型ものを利用して育てましょう。
シカクマメは長期間に渡り実と芋を収穫するので、根群を深く張らせるために深型のプランターを利用します。大型で深型の鉢で1株植えも可能です。
シカクマメの用土配合は
赤玉土6.5に対して腐葉土が2.5、それにバーミキュライト1を配合します。それに石灰(用土10ℓに対して10g)混ぜます。
植え付けの1週間前に元肥(化学肥料を用土10ℓに対して10~30g)を入れておくようにします。
露地で栽培する時は植え付け2週間前に苦土石灰を100g/m²と堆肥2kg/m²を入れて耕しておいて、植え付ける1週間前には化成肥料(15・15・15)を50g/m²を入れて幅120㎝高さ10㎝の畝を作りましょう。
インゲンマメをプランターで育てる場合は、排水性の高い用土で育てることが病気の発生を防ぐ最大のポイントになります。
プランターで育てる時は鉢底石を入れて用土は鉢の8部目くらいまでにしておきましょう。
プランター栽培で一番大切な作業は土入れです。一度に全ての土を入れずに空気と水がうまく通るように多層構造を目指しましょう。
プランター全体に水分と空気が行き渡り、野菜が元気に育つ環境を作れるかがポイントです。
作業手順
1.プランターの底に鉢底石(赤玉土大粒)を2~3cmほど敷き詰めます。
2.栽培用土を5cmほど敷き詰め、5本の指を立てて土に穴をあけるように隅々まで土を詰めます。手のひらで押さえつけないように。
3.堆肥と有機肥料、または化成肥料を入れ5cmほど栽培養土を2の手順と同じようにして入れます。
4.プランターの半分まで栽培用土を入れたら、水をたっぷりとかけます。
6.2と3の手順を2回ほど繰り返してプランターの7分目まで栽培用土を入れます。
7.最後に水をたっぷりとかけてプランターの底から水がスムーズに流れ出るかを確認してみましょう。
シカクマメのタネ蒔きの最適期は5月上旬以降で、タネは畑に直播きする方法とポリポットに播く方法とあります。
発芽適温が保てる暖地では直播きとし、それ以外の地域では温度管理出来るハウスなどでのポット播きがおすすめです。
種は1箇所に付き3~4粒ずつ点播きして、種を播いた後は用土を乾燥させないようにたっぷりと水やりを行いましょう。
種を蒔いた後は地温で25~30℃を確保してやります。直植えの場合で地温が低い時はマルチ掛けを行って発芽適温を確保しましょう。
通常だと種は10日前後で発芽します。本葉が2~3枚になった時に生育のよい芽を1本だけ残して後は全て間引いてしまいましょう。
シカクマメの幼苗は本葉が3~4枚になった時が植付けのベストタイミングです。株間はプランターで30㎝以上、露地栽培で50㎝以上は確保して植え付けてます。
苗の植付が5月上旬になるように日数を逆算して種を播きましょう。植付る時は気温が十分に上がってから植えないと寒さや霜にあたって枯れてしまうので注意しましょう。
初心者の場合や少数だけ育てる方は、園芸店などで植え付け前の苗から購入して育てると失敗がありません。
シカクマメはつる性植物なので、植え付けた後は早めに支柱を立ててやりましょう。
支柱のタイプは合掌式またはトンネル式が、収穫もしやすくておすすめです。
シカクマメは草丈が2~3mに成長しますので支柱は初めから長めのものを利用するようにします。弦が複雑に絡まるため後から支柱を取り変えることは出来ないので注意しましょう。
ベランダ菜園やグリーンカーテンとしてシカクマメを育てる時はプランターの横に太めの支柱を立て写真の様な網目10㎝ほどのネットを張って弦を絡ませると管理が楽になります。
弦同士は絡まないように成長させていくようにしましょう。シカクマメは株元の風通しを良くすることが病気や害虫の予防・対策になります。
シカクマメは弦を支柱に誘引してやらないと地面にどんどん拡がってしまいます。
弦が地面を這ってそのまま育ててしまうと分枝が多くなり、収穫量が減ったり1つ1つの莢が小さくなったり品質が低下する原因に繋がります。
弦が伸び始めたのを確認したら、弦と支柱とを紐で軽く結んで誘引してやりましょう。誘引は分枝する度に何度も行います。
シカクマメは乾燥にとても弱い野菜で比較的多湿を好む野菜です。用土が乾いた時にたっぷりと灌水(水やり)を行いましょう。
プランターで育てる時はプランターの底から水が滲み出るくらいたっぷりと与えます。毎日与えるよりも用土が乾燥した時に多めに与える方が効果的です。
シカクマメは花に直接雨が当たると受粉がうまく行われず実成りが悪くなります。
また、水やりが不十分だと花が落ちてしまうので、開花が始まる夏場以降の水やりは回数を多めにします。
水やりの際に花に水が直接かかると受粉が上手く行われないことがあるので株元に丁寧に与えましょう。
シカクマメはマメ科の中では他よりは多く肥料を必要とする種類です。
草丈が30㎝を超えた頃に化成肥料を約10gほど株の周りにパラパラっと撒いて周辺の土と混ぜて株元に寄せてやりましょう。2回目の追肥は花が咲き出した頃(植付から60日頃)になりますが、株の生育が盛んな時は追肥は控えます。
シカクマメは肥沃な畑で育てる時は基本的に元肥のみで追肥は必要であれば与えるようにしましょう。
他のマメ科に比べると肥料を好む方なので、株の生育具合を見て適量を与えることが収穫量を増やすポイントです。
シカクマメは他のマメ科と同様に窒素肥料が多すぎるとつるボケして着果が悪くなります。
元肥が強すぎて生育が良すぎる(草勢が強すぎる)時は、主枝を頂部で摘み取って側枝を伸ばしましょう。養分が分散されつるボケを防止になります。
シカクマメは開花してから約15日~20日くらいで収穫適期を迎えます。
もっとも美味しい大きさは、莢の長さが10~15㎝です。
病気の発生を予防するために、手でもぎ取らずにハサミやナイフなどで丁寧に莢の根元を切り取って収穫しましょう。
シカクマメは莢以外にも株が成長した花と若い弦先も食用にすることが出来ます。塩で茹でてサラダにして食べるとシャキシャキした歯ごたえを楽しめます。その他お浸しや天ぷらにしても美味しいです。
収穫適期を過ぎると莢が固くなって食味が落ちてしまいますし、株が弱って秋に取れる芋の収穫量が減ってしまう原因になります。収穫適期を逃さないようにしましょう。
10月下旬になって株全体の葉が茶色く枯れ始めた時がイモの収穫適期です。地際で茎を切り取って芋を掘り出してみましょう。
芋を収穫する時は夏場の莢数を減らします。食用にする分以外は蕾の段階で摘み取ってしまって芋を十分に太らせるようにしましょう。
シカクマメは短日性の植物なので苗の植え付けが遅れると日に当たり過ぎてしまって着果率が悪くなります。苗を植え付ける時期には注意しましょう。
食べた時に実が固いと感じた時は与える水分量が少ない証拠です。特に花が咲く夏場以降は水切れを起こさないように用土の表面が乾いた時に十分に水やりを行うことが柔らかい美味しいシカクマメを育てるコツです。
シカクマメをはじめ豆類は根を深く張らせることが実成りを良くするコツです。植え付ける前にしっかりと畑を耕してふかふかの用土に仕上げてやりましょう。粘土質の固い土壌だと根が深く張れないので草丈が大きくなりません。
シカクマメを栽培する時に発生しやすい害虫は、アブラムシ類、ハダニ類、ハモグリバエ類、フキノメイガです。
アブラムシ類、ハダニ類、ハモグリバエ類はそれぞれ薬剤で防除出来ます。害虫を見つけたら早期対策を行いましょう。
シカクマメは梅雨時期に病気が集中して発生します。掛かりやすい病気は「炭疽病」や「菌核病」などです。
これらの病気は株間をしっかり確保する、採光を良くして株元の通気性(風通し)を高めてやることで予防することが出来ます。