カブの育て方。カブの栽培が初めての方にも分かりやく育て方をレクチャーします。コツさえ知っていればカブをプランターや露地栽培で育てるのは難しくはありません。このサイトを見てカブ栽培にチャレンジしてみましょう!
カブ栽培
難易度 ★★☆☆☆
カブは冷涼な気候を好み暑さと乾燥に弱いので、春または秋に種を蒔いて育てるのがおすすめです。
茎葉の成長は温暖な気候が根の肥大には冷涼な気候が適しているので、初心者は春よりも秋まきが育てやすいです。
カブはアブラナ科の根野菜で、原産地は地中海沿岸やアフガニスタンと言われています。日本には奈良時代に伝わり、江戸時代に各地で改良されてきたため、品種がとても豊富な野菜です。
カブは害虫の被害に遭いやすいのですが、害虫や病気に強い品種を選ぶことと、寒冷紗などでプランターを覆って害虫の飛来を防いで育てるなど対策すれば大丈夫です。
カブに含まれる栄養価は、根にはビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維など。アミラーゼという消化酵素を含むので内臓の働きを助け胃もたれや胸焼けに良いと言われています。
カブは葉も料理に使えます。葉には多くのビタミンやミネラルを豊富に含むので、味噌汁の具やお浸しにして美味しく食べましょう。
科目 |
アブラナ科 |
連作障害 |
あり(2~3年) |
土壌酸度 |
pH6.0~6.5 |
栽培スペース |
15cm×15cm |
発芽適温 |
20~25℃ |
生育適温 |
15~20℃ |
植え付け時期 |
3月~6月,8月~10月 |
収穫時期 |
植え付けから約2か月 |
春まき時期は3月~6月
収穫時期は5月~7月
秋まき時期は8月~10月
収穫時期は10月~12月
カブは大きく分けるとヨーロッパ型とアジア型の2種類に分けられます。
日本各地では品種改良された域特産の様々な種類のカブが販売されています。
カブの見た目はどれも似ていていますが、味と食感は品種によって様々です。サラダや漬物用の食感が柔らかいものや煮物や味噌汁に使う風味の良い品種など、使い方に合わせて選びましょう。
初心者でも比較的育てやすいカブの品種は、金町系の「しらたま」「たかね」「はくれい」「はくたか」と言われています。
早取りが可能で変形やス入りが少ないのは「福小町」、病害虫に強く根の太りが良い「玉里」、赤色をした「愛真紅」、根の上半分だけ赤くなる「あやめ雪」、細長い形をしたカブ「日野菜カブ」などが人気です。
どの品種でも簡単に育つので、自分の好みの品種を育ててみましょう。プランターで栽培する時は小カブと言われるミニ種は収穫までが短くて育てやすくおすすめです。
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カブを栽培する時に使うプランターサイズは、中型の標準タイプ(60㎝)以上で育てましょう。
2条植え(2列に植える)の場合は、幅が広い大型のプランターを利用するといいでしょう。また大型の植木鉢なら少数株なら栽培することが可能です。
カブ栽培に使う用土は市販の培養土が空けてすぐに使えるので便利です。
自分で用土を作る時は
赤玉土6:砂2:バーミキュライト3、これに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり20g混ぜ合わせた物を用土として使いましょう。
種蒔きの2週間前までには土作りを完了させておきます。
カブの露地栽培では、種蒔きの2週間前に石灰100g/㎡・堆肥2㎏/㎡・化成肥料100g/㎡を施して、畑をよく耕しましょう。畝は平畝で幅60㎝高さ10㎝にしましょう。水はけが悪い畑では20㎝の高畝にします。
土壌の通気性を良くすることが根を太らせるポイント。カブを植える畑は深くしっかりと耕しておきましょう。カブは小石や固い土の塊などで根別れを起こすので必ず取り除いておきます。
プランターに入れる用土の量は、鉢の8割にしてウォータースペースを確保します。
水やりで土がこぼれるのを防ぐのと、途中でまし土(土を足すこと)を行うので、土の量は少なめにしておきます。
プランターで栽培する時は鉢底石を敷くなどして用土の排水性を良くしておきましょう。排水性が悪いと根腐れ病などの病気が蔓延する原因となります。
プランター栽培で一番大切な作業は土入れです。一度に全ての土を入れずに空気と水がうまく通るように多層構造を目指しましょう。
プランター全体に水分と空気が行き渡り、野菜が元気に育つ環境を作れるかがポイントです。
作業手順
1.プランターの底に鉢底石(赤玉土大粒)を2~3cmほど敷き詰めます。
2.栽培用土を5cmほど敷き詰め、5本の指を立てて土に穴をあけるように隅々まで土を詰めます。手のひらで押さえつけないように。
3.堆肥と有機肥料、または化成肥料を入れ5cmほど栽培養土を2の手順と同じようにして入れます。
4.プランターの半分まで栽培用土を入れたら、水をたっぷりとかけます。
6.2と3の手順を2回ほど繰り返してプランターの7分目まで栽培用土を入れます。
7.最後に水をたっぷりとかけてプランターの底から水がスムーズに流れ出るかを確認してみましょう。
カブはポットからの移植が出来ないので、種は畑やプランターに直接蒔いて育てる野菜です。
種まきは少しずつ時期をずらして行うのがコツです。収穫時期をずらすことで、食べきれなくなる心配がなくなります。
種のまき方ですが、点まきのほか、筋蒔き・バラまきがおすすめ。点まきは1箇所に4~5粒種をまく方法で、間引きの手間が楽になるまき方です。
間引いた苗を料理に使いたい方は筋まきがおすすめ。バラまきは苗を間引く時や施肥の管理に手間がかかりますが、発芽しにくい野菜に向いたまき方です。
カブの種を点まきする時は、空き缶やペットボトルの裏側を用土に押し当ててまき穴を作ります。そこに4~5粒ほど種をまきましょう。
通常のカブは20㎝~25㎝、小カブは10~20㎝植え付けの間隔を取って種をまくようにします。
カブを筋まきする時は条間(列の間隔)を10~15㎝空けて、棒などを押し当てて、深さ5~10㎜のまき溝をつけましょう。
種は5㎜~1㎝間隔で蒔まいて、種をまいたあとは薄く覆土してやります。この時に用土を被せすぎると発芽率が下がるので注意しましょう。(カブの種は好光性種子といって、光が当たらないと発芽しません。)
カブは小石や土の塊が土の中にあると根が割れる「また根」という現象がおきます。
カブの栽培で使う用土は、粒の細かいものを使うか、篩などで土の粒を揃えると、根が分かれる「また根」になることを防ぐことが出来ます。
カブの種をまいて土を被せた後は、手のひらや木の板などで軽く上から押さえて密着させましょう。被せた用土を軽く抑えることで水やりの時に種が表面に流れ出るのを防げます。
種をまいた後は、芽が出るまで乾燥しないようにたっぷりと水やりを行いましょう。カブの発芽は種まき時期によって変わりますが、発芽適温(20~25℃)であれば、種をまいてから4~5日ほどで始まります。
カブの種は小さいので強く水やりをすると種が表面に流れ出てしまいます。ジョウロのハス口を上向きにして水を与えましょう。
発芽するまでの水やりが少ないと、種が乾燥して発芽しないことがあります。不織布やキッチンペーパーなどを用土にかけて水やりをすると乾燥を防ぐことが出来るのでおすすめの方法です。(発芽したら早めに取り外しましょう。)
カブの間引きのタイミングは隣り合う葉と葉が重なり合った時です。苗が小さい時は成長にバラツキがあるので、こまめに間引きを行いましょう。
カブの間引きは根を太らせるためにとても重要な作業なので、適切なタイミングで行うことがポイントです。
筋まきしたときの1回目の間引きのタイミングは、全ての発芽が揃ったときです。筋まきの間引きは、2~3㎝間隔(本葉どうしが重ならない程度)に間引きます。
点まきの場合は、本葉が2~3枚になった時に間引きを行いましょう。点まきは1育ちの良い苗を1か所あたり3本残して他の苗はすべて間引いてしまいます。
苗を間引いた後は、株元に土寄せをして真っすぐにしておきましょう。株寄せをしておくと苗が倒壊しなくなります。
筋蒔きの2回目の間引きは、本葉が3~4枚に成長した頃がタイミングになります。
葉と葉が重ならない程度に間引きましょう。間引いたあとは1回目の間引きと同様に株元に土寄せをしておきます。
苗が密集していて根が絡まりあっている時に、手で強引に抜き取ってしまうと残したい株ごと抜けてしまうことがあります。
良い苗を確実に残したい時は、不要な苗をハサミなどを使って根元から切り取ってもかまいません。
カブの最終の間引きは本葉が5~6枚になる頃(根が1cmになった頃)までに終わらせます。
元気な苗を1本だけ残して後は全て抜き取ってしまいましょう。
最終的な株間は、大型種は20~25㎝、中型種は10~15cm、小カブは8~10㎝にします。(品種によって変わります。)
この頃のカブは深く根付いて成長を始めています。根が絡まって手でうまく引き抜けない時は、ハサミなどを使って根元から切ってしまってもかまいません。
間引いた苗(間引き菜)はサラダやお漬物(漬け菜)・おみそ汁などにすれば美味しく食べられます。
カブは間引きを適切に行って成長に合わせて株間を確保することが根を大きくさせるポイントです。
間引き時期の目安は、1回目は発芽が揃った頃、2回目の間引きは本葉が3~4枚になった頃、最終の間引きは根の直径が1cmになった頃の3回。
プランターや植木鉢でカブを育てている場合は、栽培する環境によって成長が遅れる場合があります。間引きの時期はあくまで目安としてください。
カブは種をまいてから発芽するまでの間は水やりを欠かさないことがポイントです。
発芽までは土の表面が乾いた時は必ず水やりをしましょう。水切れは発芽不良の原因になります。
発芽してからの水やりのタイミングは、土の表面の乾燥が目立ったときです。気温が高い日は萎れや彼の原因になるため多めに水やりをしますが、気温が低い時期は病気が発生しやすくなるので水やりを控えめにします。
気温が低い時期は気温が高い日中に水やりを行いましょう。カブは多湿を嫌う野菜なので、気温が下がる夕方以降の水やりは病気が発生する原因になります。
根の肥大期に入ったら水やりをしっかりと行いましょう。水不足は裂根の原因となります。
カブの収穫適期は種を蒔いてから大カブで60~100日小カブで40~50日程度です。
収穫時期は育てる品種や地域によって若干の違いがあるので、種袋などを確認しておきましょう。
収穫適期を見た目で判断する時は、根の直径が大型種は10㎝、子カブは5~6㎝になっているか、土から少し持ち上がって出てきた頃が収穫のタイミングです。
カブを収穫する時は葉の付け根の部分をつかんで、手で株ごと引き抜いて収穫しましょう。
収穫適期になった大きな株から順番に収穫をはじめ、小さなカブは収穫せずにそのまま畑に残します。
残した株の根を肥大させるために、引き抜いた後の穴は必ず埋めておきましょう。
カブは収穫が遅れると実に「ス」が入ってしまいます。「ス」が入ると中がスカスカになり、味と食感が落ちてしまいます。収穫のタイミングを逃さないようにしましょう。
ス入りかどうかは、外葉を千切って葉柄の断面に空洞が出来ているかどうかで簡単に判断できます。
カブを上手に育てるポイントは追肥と間引きです。間引きの適期を守り追肥の種類や量・与える時期が重要になります。
有機質を多く富んだ通気性と排水性と保水性を兼ね備えた用土で育てるとカブは根が大きなって丈夫に育てられます。
土の中に障害物(石・木の根・土の塊)や、未熟な有機物(未収穫の根野菜)があると根が分かれる原因となるのでしっかりと取り除いてから種を蒔くようにしましょう。
カブを育てる時に発生する病気には、白さび病をはじめ、黒腐れ病・根こぶ病・萎黄病などがあります。
病気が発生する最大の原因は多湿の環境です。
プランター栽培では鉢底石を敷く露地栽培では高畝栽培するなど工夫しましょう。病気が発生したら症状の出た葉を摘み取るか症状がひどくなったら症状の出た株を抜き取りましょう。
症状がひどくて手に負えないときは、薬剤の使用も検討してましょう。病気は早めの対策と治療が大切です。
カブによく発生する害虫は、カブラハバチ・キスジノミハムシ・アオムシ・アブラムシなどで、葉を食害する害虫が多いのが特徴です。
実は土中に潜り根を食い荒らす虫がいます。その害虫はキスジノミハムシ。幼虫が根の部分に食害痕を残すうえ、発見が収穫までわからないのでやっかいな害虫です。
害虫が少数の時は手で捕獲出来ますが、多発した時は早期の使用であれば人体への害も少ないので、散布剤等の使用も検討してみましょう。害虫は早期駆除が有効です。
成虫の飛来や食害跡を見つけたら、葉の裏などを良く観察して早期発見を心掛けましょう。
カブの苗が小さい時期に害虫をが発生してしまうと、一晩で茎葉がなくなってしまうなど被害が大きくなるので注意が必要です。
トンネルに寒冷紗をかけて害虫対策をすれば、成虫の飛来を大幅に防いで被害を軽減することが出来るのでおすすめの方法です。