サトイモの簡単な育て方。サトイモをプランターや露地で上手に栽培してみましょう!サトイモはマンションのベランダの植木鉢でも育てられるほど簡単で丈夫で育てやすい野菜です。
サトイモ栽培
難易度 ★★☆☆☆
サトイモ(里芋)はインドや中国南部から東南アジア・インドネシアに自生している熱帯性の高温多湿を好む根野菜です。
サトイモは別名で小芋(コイモ)と呼ばれていますが、植えた種イモの上に親芋が育ってその周りに小芋や孫芋がつくのがその名の由来です。サトイモは根ではなく茎の部分が肥大したもの。
ひと株からたくさんのい小芋が収穫できて、栽培する手間もかからず、病害虫に強く収穫した芋の長期保存も効くことから、人気の野菜です。
サトイモは葉の大きさの割に根を大きく深くは張らないため、露地栽培だけでなくプランター栽培でも育てることができます。
サトイモは本来は多年生(何年も栽培が続く)の野菜ですが、日本は温帯地域であることから、残念ながら一年草の扱いになり、冬になると枯れてしまいます。
サトイモに含まれる栄養素は、タンパク質・炭水化物・ビタミンB群・カリウムなどが豊富に含まれています。
科目 |
サトイモ科 |
連作障害 |
あり(3~4年) |
土壌酸度 |
pH6.0~6.5 |
栽培スペース |
45cm×45cm |
発芽適温 |
15~30℃ |
生育適温 |
25~30℃ |
植え付け時期 |
3月下旬~6月上旬 |
収穫時期 |
植え付けから約5か月 |
種芋の植え付けは3月下旬~6月中旬
収穫時期は9月下旬~11月下旬
サトイモはシーズンになると園芸店などで種イモが販売されています。サトイモは同種異名が多くあり、同じ品種でも地域によって特性が違っています。
ぬめりが強く鍋や煮物に向く「善光寺」、親芋も食べられる粉質できめが細かい「セレベス」、芋が大きい「女早生」、多収品種の「石川早生」、葉柄も食べられる「蓮芋」「みがしき」その他「土垂れ」「赤芽大吉」など種類も豊富です。
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プランター栽培で一番大切な作業は土入れです。一度に全ての土を入れずに空気と水がうまく通るように多層構造を目指しましょう。
プランター全体に水分と空気が行き渡り、野菜が元気に育つ環境を作れるかがポイントです。
作業手順
1.プランターの底に鉢底石(赤玉土大粒)を2~3cmほど敷き詰めます。
2.栽培用土を5cmほど敷き詰め、5本の指を立てて土に穴をあけるように隅々まで土を詰めます。手のひらで押さえつけないように。
3.堆肥と有機肥料、または化成肥料を入れ5cmほど栽培養土を2の手順と同じようにして入れます。
4.プランターの半分まで栽培用土を入れたら、水をたっぷりとかけます。
6.2と3の手順を2回ほど繰り返してプランターの7分目まで栽培用土を入れます。
7.最後に水をたっぷりとかけてプランターの底から水がスムーズに流れ出るかを確認してみましょう。
サトイモの種芋は小さいものは育ちが悪いので、栄養分が蓄えられた大きな種芋を選ぶのがポイント。
芽がしっかりしていて40g以上のふっくらとした病害虫の被害にあっていない種芋を選ぶようにしましょう。
種芋の大きさを揃えたり、目出し処理(下記参照)をすると、生育が揃って育てやすくなります。
サトイモは発芽適温が15~30℃と高いので、植える時期によっては種芋が土の中で腐ってしまい発芽しないことがあります。
サトイモは、畑に植え付ける前にポットなどで芽出しを行うことで発芽率を高めることができます。
芽出しのやり方ですが、ポリポットやプランターに培養土を入れ種芋を埋めたら芽が出るまでそこで育てます。サトイモは発芽するまで3~4週間ほどかかります。
サトイモは春(4月頃)から栽培がスタートします。気温が低い時(6℃以下)は、プランターに透明のビニール袋などを被せて発芽適温を保つように温度管理すると発芽しやすくなります。
芽が3㎝程度になれば植えつけ可能ですが、そのまま10~15㎝になるまで育ててから苗を植えつけてもかまいません。
植え付けのシーズンになると、園芸店やホームセンターなどでサトイモの苗が販売されているので、初心者の方や植える株数が少ない方は苗から育てる方が確実です。
サトイモの種芋は、芽を上にして深さ5~6㎝の溝を掘って植えつけましょう。深く植えすぎると地温が低いなどの理由で発芽率が悪くなってしまいます。
サトイモの種芋は大きさの順番に植えつけるのがポイント。植えつける際は大きな種芋と小さな種芋を交互に植えつけると、小さな種芋の生育が大きな種芋に阻害されて生育が悪くなってしまうからです。
種芋を植え終わった後は、5~10㎝ほど覆土して(土を被せて)おきましょう。
新芽が折れてしまうことがあるので、丁寧に土を被せるのがポイントです。芽が折れると種イモが腐ってしまうことがあります。
露地栽培では、種芋を埋めるように周辺の用土を被せて、レーキなどで表面を平らに仕上げておきましょう。
サトイモを苗から植える時は、ポットより少し大きめの植穴を掘って、根鉢を崩さないように丁寧に植えつけます。
植えつけたあとは周辺の用土を株もとに土寄せして水をたっぷりと与えましょう。
春先で夜間の気温が低いときは、ビニルシートなどでマルチングを行うと地温が上がり、株の生育がよくなります。
サトイモの収穫量を増やすポイントはまし土(土寄せ)を行うことです。
まし土が正しく行えていると、芋が長く大きくなり、少ないと日が当たり味が悪くなったり、新イモが地上に出て実が小さくなったりします。
まし土は発芽して3週間ほど経って本葉が3~4枚になった頃と、その1か月後(梅雨明け前頃)の合計2回ほど行いますが、こまめに根元をチェックして必要なら何度も行うようにします。
寄せる土の量は1回目が5cmほど、2回目は10cmほどが目安です。サトイモは茎が丸まった部分(球茎)が小芋になります。株もとから子芋になる芽が次々と出てくるので、芽が土の中に隠れるように土を被せましょう。
サトイモをしっかりと大きく育てるためには土壌中の湿度管理が重要になります。
乾燥状態が続くと葉が萎れて収穫量が極端に減ってしまいます。気温が上がる夏場以降は用土の乾燥を防ぐために、藁や刈り草・マルチなどを敷いて、土壌中の湿度を高くしてやりましょう。
特に梅雨が明けて夏場以降の乾燥時に水やりを怠ると、収穫量が激減するので注意が必要です。
サトイモは水気の多い環境を好む野菜です。株の周りがいつも湿っている状態をキープしましょう。
種芋を植えた後から芽が出るまでの間は、用土を乾燥させないようにたっぷりと水やりを行いましょう。
大きな芋をたくさん収穫するには、常に株周辺の用土を湿潤な状態に保つことがポイントです。
サトイモは乾燥状態が2週間以上続くと、葉が萎れて生育が悪くなってしまいます。一度萎れた葉は長期間回復することはありません。
プランター栽培の場合は1日に朝か夕方に1~2回、露地栽培の場合は、通路灌水するか1日に1回以上、用土の中まで浸み込むようにたっぷりと水を与えましょう。
ただし腰水をして水が常にたまった状態になると、根が傷んだり腐ったりする原因となるので、やりすぎにも注意が必要です。
サトイモは植え付けの時に施す元肥で育てるのが基本ですが、プランター栽培や輪作する畑では生育状態が悪いときは追肥を行いましょう。
プランター栽培の場合の追肥のタイミングは株が10~15㎝ほどに育った頃で、1株につき化成肥料5~10gを株元周辺に施します。
露地栽培では、前作の野菜がある時は元肥を少なめにして追肥で補うようにします。株が10~15㎝ほどに育った頃に株間に化成肥料20~30g/㎡を施しましょう。
追肥を行ったあとは、肥料を埋めるようにしながら用土を耕して株元に寄せておきます。
サトイモの収穫適期は種イモを植えてから150~180日が目安です。
晩秋になって霜が降りる10月中旬以降がサトイモの収穫のタイミング。
見た目で収穫適期を判断する基準は、地上部の葉が黄ばみ始め小さくなり始めた状態です。10月中旬を過ぎたら試し掘りをして芋の大きさを確認してみましょう。
サトイモを収穫する時は天気の良い日に行うようにします。
茎を根元からナイフで切り取って、スコップなどで株周辺を広めに掘り下げます。
芋を傷付けないように株ごと丁寧に掘り出しましょう。土を落としながら親芋と小芋に分けます。大きいものが親芋で小さいものが小芋です。
サトイモを上手に育てるコツは水分と肥料です。乾燥が長く続いたり肥料が少ないかったりすると小芋の育ちが悪くなり収穫量が減ります。
小芋を大きく太らせるために土寄せをしっかりと行いましょう。土寄せは多すぎても少なすぎてもいけません。
サトイモは丈夫な野菜で病気には殆どかかりませんが、疫病・モザイク病・乾腐病・軟腐病に稀に掛かることがあります。
病気の原因の大半は連作によるものです。同じ場所でサトイモを植えるときは3~4年は空けるようにしましょう。
チッソ分の多い肥料を与えすぎない・適度な水やりを行うことも病気を防ぎ対策になります。病気が発生したときは早めに対策を行って、他の株に蔓延しないようにしましょう。
サトイモに発生しやすい害虫は、アブラムシ類・セスジスズメ・ネグサレセンチュウ・コガネムシ・ハンスモンヨトウなどです。
害虫を見つけたら早めに駆除しましょう。育てている畑やプランターの周辺に、被害を受けている野菜があったり雑草が大量に生えていたりすると害虫が発生します。
栽培地周辺の草刈りを定期的に行って、害虫の発生しにくい環境を整えることも大切です。