プチヴェールの栽培方法(種まきから収穫まで)を野菜栽培士が画像を交えて詳しくご紹介します。
プチヴェールの苗の植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
プチヴェールをプランターや露地で上手に栽培しましょう!
プチヴェール栽培Menu
・プチヴェールの栽培難易度
・プチヴェール栽培カレンダー
・プチヴェール栽培のコツ
・プランター栽培と土作り
・露地栽培の土作りと畝作り
・育てやすい品種
・プチヴェールの苗の植え方
・葉かきのやり方
・プチヴェールの水やり
・プチヴェールの追肥方法
・プチヴェールの収穫
・プチヴェール栽培まとめ
・害虫対策
・病害対策
プチヴェール栽培
難易度★★☆☆☆
プチヴェールは芽キャベツとケールを交配から生まれた日本発のアブラナ科の新野菜で「プチベール」とはフランス語で「小さな緑」を意味します。
見た目が可愛くて食べると美味しい女性に人気のある家庭菜園向け葉野菜です。栽培期間は長めですが、比較的丈夫な野菜なので栽培難易度は低めです。
日当たりの良い場所であればプランター栽培はもちろんですが、大きめの植木鉢(10号以上)でも十分に育つのでべランダ栽培が可能です。
夏は高温に弱いアブラナ科の葉野菜が少ないため、夏場が植え付け時期になるプチヴェールに害虫が集まりやすくなります。害虫対策を徹底することがポイントです。
プチヴェールを育てるときのプランターサイズは大型(60㎝~)または、大鉢タイプ(深底)を利用します。
プチヴェールは大きくなると株の直径が40㎝以上になるので、小型プランターや鉢で育てる場合はプランター1つにつき1株までとしましょう。
プチベールの栽培に適した用土は市販の培養土を利用すると袋から出してすぐに植え付け出来て便利です。
自分で用土を配合する時は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、これに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化成肥料を用土10ℓ当たり10~20g混ぜ合わせた物を用意しましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターにウォータースペースを残して、7分目までくらいまで培養土を入れておきましょう。
用土を入れ過ぎると、土寄せ(株元に土を寄せる)をする時に水やりや降雨の際に、プランターの縁より用土が流れ出てベランダが汚れてしまう原因になります。
プチヴェールを露地で栽培する時は苗の植え付けの2週間前に1㎡あたり苦土石灰を100g施して良く耕しておきましょう。
苗の植え付けの1週間前には、各1㎡あたり堆肥2kg・化成肥料(15:15:15)100gを施して幅80㎝高さ10㎝の平畝を作っておきます。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
プチヴェールは1990年に増田採種場が開発したケールと芽キャベツを交配させた野菜で、ホームセンターなどでは種は販売されていません。
ネット販売やホームセンター、育苗店で苗を購入しましょう。
品種には「グランリーフ」「なのはなプチヴェール」「プチヴェールルージュ」「プチヴェールホワイト」などさまざまな色や形をしたものが出回っています。
プチヴェールのポット苗は、8月~9月頃になるとホームセンターや通販などで販売されはじめます。
緑色の濃い茎のしっかりした子葉の残っている苗を選ぶようにしましょう。病気や害虫の被害に遭っていない苗を選ぶこともポイントです。
プチヴェールは、本葉が5~6枚になった苗が植え付け適期なので、小さすぎる苗や大きすぎる苗を避けて、植え付けに適した大きさのものを選ぶようにしましょう。
プチヴェールがゆるく結球し始めるタイミングで下葉かきを行ってやりましょう。
下葉かきとは株元の葉を摘み取って、日当たりと風通しを良くすることです。下葉かきを行うことで、球の肥大する環境とスペースを確保することができ、成長を促すことできます。
10月頃になってわき芽が結球し始めたら下葉を株全体の1/3ほど付け根から折るようにして切り落とします。
茎上部の新芽や必要以上の葉を切り取ると、株や芽球の成長が悪くなってしまいます。
株の成長に合わせて、下から順に古い葉を切り取って上部の葉を10枚ほど常に残すようにしましょう。
プチヴェールは抗酸化指数が非常に高い野菜で健康維持に良い野菜です。葉かきの際に摘み取った葉は、ケールのように野菜ジュースに利用することができます。
プチヴェールは栽培期間が長いので肥料切れに注意しましょう。追肥をしっかり行えば多収穫が望めます。
本葉が約6~8枚になった(草丈20~30㎝)の頃に1回目の追肥を施してやります。
苗の植え付けからだと約3週間ほど経った頃で、化成肥料10~20gを株周りにパラパラとまいて、用土と軽く混ぜ合わせて株元に土寄せしておきましょう。
1回目の追肥以降は2~3週間に1回のタイミングで与えてやります。
1回あたりに与える追肥の量は、化成肥料10~20gで、下葉にかからないよう株元に撒いて用土と軽く混ぜ合わせて土寄せしてやります。
株が大きくなってからの追肥は、株元から少し離れたところにまいて用土と混ぜ合わせて寄せましょう。プチヴェールは根を浅く広く張るため、株元にまいて土寄せすると根を傷めていまいます。
プチヴェールは苗を植え付けてから約90日ほどで収穫が始まります。わき芽が3~5㎝になったら収穫をはじめましょう。
プチヴェールの収穫方法は、ハサミやナイフで葉の根元を切り取ります。
手でもぎ取ったり根元で上手に切り取らないと、葉球がバラバラになってしまうので注意しましょう。
プチヴェールは茎の下の方から順に新芽が伸びて、株の上に向かって縮れた葉が次々とついていきます。
一株から約60~70枚の葉が収穫できます。
葉は大きくなるほど固くなるので、サラダなど生食に使うときは葉が小さなうちに摘み取るようにしましょう。固くなった葉も、煮物やおみそ汁の具として利用すれば美味しく食べられます。
プチヴェールの多収穫を目指すコツは、肥料の与え方と株をいかに大きく育てられるかになります。
プチヴェールは日当たりと風通しがよい、排水性と保水性の高い土壌で育てると大きな株に育ちます。
わき芽が伸びる頃に効き始めるように元肥は遅効性の肥料(効き目が遅い)を施しておき、苗を植え付けてから株が大きくなるまでは即効性の肥料で追肥を行うことで、長く収穫を楽しめるようになります。
プチヴェールをプランターで栽培するときは、収穫のタイミングで、化成肥料を1株あたり5~10g追肥しておくと、長期間に渡って収穫を楽しむことが出来ます。
1週間に1回、水やりを兼ねて液肥を与えるのも効果的です。
草丈70~80cmで茎の太さが4~5㎝以上になると多収穫が望めるでがんばって大株にまで育てましょう。
プチヴェールに発生しやすい病気は「菌核病」「苗立枯病」「根こぶ病」「べと病」などです。
畑の排水性が悪い時や株元の葉が込み合っている時、日当たりが悪い土壌で病気がよく発生します。
病気の発生を防ぐためには適正な株間の確保を行って葉が込み合わないようにして日当たりを良くすることが大切です。また、水はけの良い土壌を心掛けましょう。
特に伝染性のある病気が発生した畑での連作は行わないようにすることも病気の対策になります。
プチヴェールによく発生する害虫は「アオムシ」「コナガ」「アブラムシ」「ハンスモンヨトウ」です。
特に幼苗の時期にアオムシ類の被害に遭うと一晩で苗が全滅してしまうこともあります。
害虫は見つけ次第、早めに除去することが被害を最小限に食い止める最善の方法です。
プチヴェールは夏場が植え付け時期で、害虫の活動も活発になる時期です。
人力での駆除にも限界があるので、トンネルを立てて寒冷紗掛けをするなどの対策が有効です。
寒冷紗の隙間から害虫が入り込むことがよくあるので、害虫がいないか葉の裏までよく観察して、見つけ次第、早めに駆除しましょう。
▷簡単!野菜の育て方 Kitchen Garden Textbook!