お家でアシタバを栽培してみませんか?
アシタバの育て方(種まきから収穫まで)や、アシタバ栽培のコツを野菜栽培士が画像を交えて分かりやすく丁寧にレクチャーします。
アシタバはプランターでも育てられる簡単な野菜です!アシタバ栽培にチャレンジしてみましょう!
アシタバの育て方Menu
・アシタバ栽培の難易度
・アシタバ栽培カレンダー
・アシタバ栽培のコツ
・アシタバのプランター栽培
・アシタバの土作り
・アシタバおすすめの品種
・アシタバの種まき
・アシタバの苗の植え付け
・アシタバの水やり方法
・アシタバの追肥方法
・アシタバの収穫時期
・アシタバ栽培まとめ
・アシタバの病気対策
・アシタバの害虫対策
・
アシタバ栽培
難易度:★☆☆☆☆
アシタバは伊豆大島や八丈島に自生するせり科シシウド属の野菜です。漢字で書くと「明日葉」一度植え付けると4~5年収穫が楽しめるお得な葉野菜です。
栽培期間は長めですが病害虫に強く栽培は比較的容易です。
あまり馴染みのない野菜ですが、葉や茎を切った時に出る薄黄色の汁は「カルコン」や「クマリン」というポリフェノール(フラボノイド)の一種を含んでいて、抗菌・抗酸化作用・血管拡張作用がある栄養価の非常に高い健康野菜です。
種から育てるのは難しいので、少数株を植える方や家庭菜園に慣れていない方は苗から育て始めるのがおすすめ。
新葉を摘んで天ぷらの具や御浸し・汁の具に利用することが出来る、ベランダに植えてあると重宝します。
アシタバの種蒔き時期は11月上旬~12月下旬
アシタバの苗の植え付け時期は4月上旬~6月下旬
収穫時期は植え付けて約2か月後から。
アシタバの品種は青茎系と赤茎系の2種類です。
青茎系は最も市場に出回っている品種、赤茎系は寒さに強く香りが少し強いのが特徴。
アシタバは種も苗もシーズンになるとホームセンターや種苗店で売られています。
種からの栽培は難易度が高いので初心者は苗から育てると良いでしょう。アシタバの種と苗はネットでも簡単に購入出来ます。
アシタバを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ(60㎝程度)以上のものを使用しましょう。
大型品種のアシタバの場合は、1株ごとに1つの植木鉢を利用して育てるようにしましょう。
1つの鉢に苗を密植して植えすぎると、病気に掛かりやすくなったり株が小さくなって収穫量も減ってしまいます。
アシタバの栽培用土は市販の培養土を利用するとすぐに植え付けができて便利です。葉野菜の用土を選びましょう。
自分で土から作る時は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと鶏糞を用土10ℓ当たり一握りほど混ぜ合わせます。
土作りからはじめるときは、苗の植え付け2週間前には土作りを済ませておくようにします。
プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の8分目程度(淵から2~3㎝)にしておきます。
水やりや降雨で土が減っていきますので、少なくと感じたときは定期的に用土を足しながら育てます。
アシタバの露地栽培で育てるときの土作りのやり方ですが、畝をつくる幅に元肥を均一にまきます。化成肥料(100g/1㎡)が目安です。化成肥料の代わりに有機質肥料(鶏糞・油粕)を施してもかまいません。
スコップやクワなどで30㎝ほどの深さまで、元肥をすき込みながら丁寧に耕します。すき込んだあとは表面を平らにならして石や土のかたまりを取り除いておきましょう。
アシタバは苗を定植する(種をまく)約2週間前には土づくりを完了させておきましょう。
土作りをしてからすぐに植えると、pHが合わなかったり、肥料焼けで根を傷めてしまったりする原因になります。
アシタバの種まき適期は、11月初旬から12月下旬です。種からだと収穫が始まるのは翌年の春以降です。
発芽するまで1~2か月程度かかるので、ポットに種をまいてハウス内で育苗すると確実です。ハウス内では温度(10℃~20℃)と湿度の管理をしっかりと行いましょう。
種は撒く前に一晩水につけると発芽が上手く揃います。種は直播または10㎝のポリポットに撒いて育てます。
アシタバは成長すると大きなもので株の直径が100㎝を超えるので、筋蒔きにすると株間の苗は全て無駄になってしましまいます。
露地栽培で種を直まきするときは、50㎝間隔で点まき(発芽率が悪いので1ヶ所あたり5~7粒ほど)とします。プランター栽培でも同様に1か所あたり5~7粒ほど種をまきましょう。
発芽が揃ったら葉が触れ合うタイミングで適宜間引きを行って、最終的に1本立てとしましょう。
アシタバは種を直まきする場合は発芽中の管理が少し難しいため、ポリポットに種をまく方法(ポット育苗)が、より確実です。
苗が本葉5~6枚程度の大きさになるまでポットで育苗してから畑に植え付けましょう。(苗の植え付け方については後ほどご紹介します。)
アシタバは好光性種子のため覆土(土を被せる量)が多すぎたり、深く種をまきすぎたりすると上手く発芽しません。
アシタバの種は覆土をまったくしなくても発芽します。
種まきをしたあとは、直射日光や乾燥、風を防ぐために、不織布やもみ殻をかけてやりましょう。プランター栽培の場合は不織布の代わりにキッチンペーパーでも代用できます。
アシタバの苗の植え付け適期は4月上旬~6月下旬です。
日中の気温が10℃を上回ったら植え付けが可能ですが、生育適温は15℃以上なので、十分に気温が上がってから植え付けるようにしましょう。
アシタバの苗を植え付ける間隔は、株間40~50㎝、畝間90㎝、畝高は5~10㎝。アシタバは大きくなると葉の広がりが1mほどになります。プランターや植木鉢で育てる場合は1つのプランターに1株にしておきましょう。
アシタバは一度畑に定植すると数年間は収穫し続けることができます。冬越しに適した日当たりの良い暖かな場所に植え付けておくのがポイントです。
苗の根を半日ほど水に浸け茎が2~3㎝ほど隠れるように植え付け株元をしっかりと押さえます。移植が苦手なので根鉢を壊さないように丁寧に植え付けましょう。
種をまいたあとは発芽するまでの間、用土の表面が乾燥しないように半日から1日おきにたっぷりと水やりを行いましょう。
苗から育てる時は、苗が定着するまでの間(葉が勢いよく伸び始めるまで)は用土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えます。
発芽後・定植後は用土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりを行いましょう。水やりの目安は、春と秋は3日に1回程度、冬は7~10日に1回程度です。
追肥は苗を定植してから約1か月後(5~6月頃)に、株間に化成肥料または、有機肥料(ぼかし肥や鶏糞)を一掴み(30~40g)与えましょう。
その後の追肥は2~3週間に一度の割合で与えます。茎葉の生長を見ながら量を調整しましょう。茎葉の勢いがあるときは量を減らし、生育が弱いときや茎葉の緑いろが薄いと感じたときは多めに与えます。
秋以降は成長が止まりますが翌春には再び新芽が伸びてきます。葉が枯れた後も、12月~翌年2月の間に、株元にぼかし肥または鶏糞を一掴み2回ほど施して次の年に備えましょう。
アシタバは苗を植え付けから2か月ほど(種まきからは約2.5か月)で収穫が始まります。
アシタバの収穫方法ですが、株ごと抜き取るのではなく、若い葉を中心に先端から15~30cmの切り取って長期収穫しましょう。
アシタバは成長が早くて新葉が次々と育ってきます。
大きくなりすぎた葉は固く香りも癖が強くなるので、柔らかい若い葉の時に摘み取るのがポイント。
葉を切り取ったときに出る黄色の液ですが、ポリフェノールの一種で「カルコン」と「クマリン」という成分です。抗酸化作用や抗菌作用があります。
新葉はゴマ和えやサラダに、大きくなった葉は天ぷらにしたりベーコンと一緒にバター炒めにしたり熱を加えると美味しく食べられます。
アシタバの収穫期間は秋まで。株を抜かずにそのまま残しておくと冬越しさせることができます。苗を植えてから4~5年は収穫を続けることができます。
アシタバは種まきからだと3年目以降に花が咲いて種とりも可能で、10~11月頃には採種できます。
アシタバは「踏まれても明日には新葉が出る」と言われるほど丈夫で育てやすいのですが、発芽率が悪いのが難点です。
自信がない方は、ホームセンターや園芸店で売られている苗から育てる方法がおすすめです。
アシタバは苗半作、良い苗を植え付けることが栽培の一番のポイント。株に勢いがあり、茎葉の緑色の濃いものを植え付けましょう。病気に掛かっている苗や虫食いがある苗も避けます。
採種年の種の発芽率は70%以上と言われています。花が咲いたら翌年は種からチャレンジしてみるのも面白いでしょう。採取後の種は1~2週間ほど風通しのよい日陰でしっかりと乾燥させて瓶などに保存しておきます。
アシタバは病気にかかりにくい野菜ですが、まれに、ウイルス病・疫病・白絹病にかかることがあります。
中でもウイルス病は野菜の不治の病と言われ感染すると治療法がありません。
ウイルス病の感染源はアブラムシなど吸汁する害虫です。害虫を見かけたら早期に駆除して感染対策を必ず行いましょう。
ホームセンターに売られている害虫駆除剤や、赤トウガラシを焼酎に1ヶ月ほど浸けたお手製の退避液もアブラムシやカメムシには有効です。
アシタバによく発生する害虫の種類はキアゲハの幼虫・アブラムシ・カメムシ・メイガ類です。
害虫の中でも、キアゲハの終齢幼虫は数日あれば株を全滅させてしまうほどの被害が出てしまいます。
栽培地でキアゲハの飛来を見かけた後は葉の裏をしっかりと観察して卵が産みつけられていないか、数日たって小さな幼虫が生まれていないかを確認して、見つけ次第、早めに駆除する様にしましょう。
▷簡単!野菜の育て方 Kitchen Garden Textbook!