アスパラガスの栽培方法と育て方のコツ。
アスパラガス栽培を、野菜栽培士が画像を交えて種まきから収穫まで詳しくご紹介します。
アスパラガスをプランターや露地で上手に栽培しましょう!アスパラガスの植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
アスパラガス栽培Menu
・アスパラガスの栽培難易度
・アスパラガス栽培カレンダー
・アスパラガス栽培のコツ
・アスパラガスおすすめの品種
・アスパラガスのプランター栽培
・土作りと畝作り
・アスパラガスの種まき
・苗(根株)の植え付け
・アスパラガスの水やり方法
・アスパラガスの追肥方法
・冬越しの方法
・アスパラガスの収穫
・アスパラガス栽培まとめ
・アスパラガスの病気対策
・アスパラガスの害虫対策
アスパラガス栽培
難易度 ★★★★☆
アスパラガスはユリ科の野菜で、植えてから5年~10年間も長期の収穫が出来るとてもお得な野菜です。ちなみに収穫量のピークは4~5年目です。
病害虫に強く植えてから成長が始まるまでは、栽培管理と手間がかかるため、難易度は少し高めです。
実はアスパラガスが日本に入ってきたのは1780年頃と最近のことで、当時は観賞用として栽培されていました。
現在、市場に出回っているアスパラガスの種類は、グリーン・ホワイト・ミニ・パープルの4種類です。特にグリーンアスパラガスは栄養価が豊富で食感と旨味が良いとされていて家庭菜園でも人気の種類です。
アスパラガスに含まれている栄養は、カロチン・ビタミンB・C・食物繊維を多く含み、穂先に含まれるアスパラギン酸はエネルギー代謝を促進するため疲労回復に良いとされています。葉酸も豊富で貧血気味の方にもお薦めです。
アスパラガスの種まき適期と植え付け適期は、2月~5月と10月~11月の年に2回、収穫までは約1年です。
アスパラガスを育てるときのプランターサイズは、小型(20㎝~40㎝)以上で深型のものを利用しましょう。1株なら植木鉢でも十分に育てられます。
アスパラガスは長期間(5~10年)栽培できるので、丈夫で壊れにくいものを選ぶようにしましょう。
アスパラガス栽培に適した用土は市販の培養土を利用すればすぐに苗を植え付け(種まき)できるのでおすすめです。
自分で配合する場合は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20g混ぜ合わせます。
アスパラガスは多湿を嫌う野菜なので、プランター底に水はけが良くなる鉢底石(赤玉土など)を敷き詰めておきましょう。
プランターに入れる用土の量は、根株から植える時はまし土をするためにプランターの6分目まで、苗から植える時は8分目まで培養土を入れます。
露地栽培でアスパラガスを育てる時は、植え付ける前年の秋から冬の間に30cm以上の深さまで畑をよく耕して排水をよくしておきます。
植え付けの1週間~10日前に30cm以上の深さでよく耕して、幅90㎝・高さ20㎝の畝を作り、割肥として、各1㎡あたり、過リン酸石灰150g・堆肥4㎏・化成肥料120gを施しておきましょう。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると、石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
アスパラガスを種から育てる時は8㎝ポリポットに種を1箇所につき3~4粒まいて、薄く覆土してやりましょう。
アスパラガスの種まき適期は2月末から3月。気温が低いので、ビニルハウスなどの中で25℃前後の温度を維持しながら管理すると約10日ほどで発芽します。
種から発芽するまでの最大のポイントは温度管理です。発芽適温(20~30℃)を保てるように、ハウス内で発芽するまでしっかりと温度管理しましょう。
アスパラガスは育苗管理がとても難しいです。アスパラガス栽培が初めての方や数株だけ育てようと思っている方は、ホームセンターや育苗店などで売られているポット苗や根株から栽培をスタートするのもおすすめです。
アスパラガスは苗(根株)を植え付けたあとは根付くまでの間はしっかりと水やりを行いましょう。
用土の乾燥は極端に生育が悪くなってしまいます。特に夏場の高温期は要注意です。最低でも1週間に1度はたっぷりと水やりをしましょう。
アスパラガスの露地栽培はプランターに比べて乾燥しやすい環境です。切り藁や籾殻などでマルチングを行って、用土の表面が乾燥しないように管理します。
アスパラガスは2年目から収穫できるようになります。穂先が開く前の状態のものが食用になります。
新芽が伸びて20~25㎝ほどの大きさになった頃が収穫適期です。大きくなりすぎたものは堅くて筋っぽくなってしまいます。タイミングを逃さないように収穫しましょう。
アスパラガスの収穫方法はハサミやナイフを使って地際付近から切り取ります。
穂先が締まっていて茎がまっすぐなもの、全体的に色が濃く、ツヤがある太い芽が良質なアスパラガスです。
アスパラガスは乾燥しやすいので、切り口に濡れた新聞紙を当て、ラップや保存袋でくるんで冷蔵庫で保存すると長持ちします。収穫してすぐに硬めにゆでて冷凍庫に保存しておくと更に長期の保存が可能になります。
アスパラガスの収穫時に気を付ける事は、収穫量が減り始めたら全ての芽を摘み取ってしまわないようにすることです。株が弱って翌年以降の収穫量が極端に減ってしまいます。
収穫適期を過ぎると、新芽が細くなったり芽の数が減り始めます。6月以降に出た芽は、収穫せずにそのまま残しておいて葉をつけさせて株に栄養を蓄えさせるようにしましょう。
太さ1cm程度の茎を1株あたり10本程度残すようにします。
アスパラガスは肥料食いの野菜と言われるほど肥料の与え方が多収穫のポイントです。また、乾燥にも弱いので、水やりは十分に行いましょう。
アスパラガスの収穫は数年に渡って続きます。1年目と2年目以降の収穫後ですが、翌年用の新芽は株を大きくするために残しますが、8月中旬以降に伸びた新芽や細く育ちの悪い茎、病気に掛かった茎は必ず取り除いておくようにします。
芽が伸びると背丈は1mほどになるので、支柱を立て紐で結んでやり株の倒伏を防止しましょう。複数株育てる時はネットを張って茎が倒伏しないようにします。
アスパラガスによく発生する病気は、茎枯病・立ち枯れ病・斑点病・紫紋羽病などです。
病気を防ぐために土作りと適度な追肥と適度な水やりをしっかりと管理しましょう。
風通しを良くするために茎の数と下枝を摘葉して茎葉の込み合いがないようにすることで病気の発生を抑制できます。
アスパラガスに発生しやすい害虫は、ハムシ・ヨトウムシ・ヨモギエダシャク・アザミウマ・オオタバコガなどで、害虫は早期の発見と駆除が有効です。
アスパラガスを育てている畑やプランターの周辺に、被害を受けている野菜があったり雑草が大量に生えていたりすると、害虫が発生しやすくなります。定期的に草刈りを行って害虫の発生しにくい環境を整えましょう。
▷簡単!野菜の育て方 Kitchen Garden Textbook!