シソの栽培方法(種まきから収穫まで)を野菜栽培士が画像を交えて詳しくご紹介します。
シソの苗の植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
シソをプランターや露地で上手に栽培しましょう!
シソ栽培
難易度★★☆☆☆
シソ(紫蘇)は中国南東部やヒマラヤ原産のシソ科の葉野菜で、日本へは古くから伝わって利用されています。
シソは春に種をまくと初秋まで収穫が楽しめ、葉だけでなく花や実も食用にできます。シソの香り成分「ペリルアルデヒド」は防腐効果があり、生ものに添えることが多いのはこの理由からです。
種は乾燥に弱いので発芽させるのが少し難しいですが、発芽させてからや苗から育てるときは、比較的簡単に栽培することができます。
シソはプランターでも育てやすい野菜です。
株を抜かずにそのまま残しておくと「こぼれ種」が落ちて、翌年以降も同じ場所で自生するほどの強さがあります。土質も選びません。
半日日陰でもよく育つほど強靭な生育力があるシソは、菜園初心者向けの栽培が簡単な野菜です。
シソには、香りや色が違う様々な品種がありますが、基本的な栽培方法はどれも同じです。
シソに含まれる栄養素は、β-カロチン(ビタミンA)、ビタミンB・C・E、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれています。β-カロチンは野菜の中でもトップクラスです。
シソの茎葉や種には独特の香りがあり、刺身のつまや天婦羅・肉巻きやサラダなどプランターやお庭で栽培しておけば、幅広い料理に使えて便利です。
シソ栽培Menu
・シソの栽培難易度
・栽培カレンダー
・シソ栽培のコツ
・プランター栽培と土作り
・露地栽培の土作りと畝作り
・シソの育てやすい品種
・シソの種まき
・シソの苗の植え方
・シソの水やり
・シソの追肥方法
・シソの収穫
・シソ栽培まとめ
・シソの害虫対策
・シソの病害対策
シソ栽培で使うプランターサイズは小型(20㎝~40㎝)または標準タイプ(60㎝~65㎝)がおすすめです。
1株だけ育てる時は直径24cm以上の植木鉢なら十分に育てられます。株を植える間隔は20~30cmなので栽培数に合わせてサイズを決めるのがポイントです。
シソは根を浅く張るので、多少底が浅いプランターで育てても問題ありませんが、草丈が大きくなると底の浅い容器や小さい容器では倒れてしまうことがあるので注意しましょう。
シソをプランターで育てる場合は、市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに植え付けができて便利です。
自分で用土を作る場合は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、これに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20g混ぜ合わせたものを使いましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターにウォータースペースを残して、7分目までくらいまで培養土を入れておきましょう。
用土を入れ過ぎると、土寄せ(株元に土を寄せる)をする時に水やりや降雨の際に、プランターの縁より用土が流れ出てベランダが汚れてしまう原因になります。
露地栽培でシソを育てる場合は、植え付けの約2週間前に、苦土石灰を100g/m²を施して丁寧に耕しておきます。
シソ栽培に適した土壌酸度(pH)は6.0~6.5です。このときに小石などの障害物があれば取り除いておきます。
植え付けの1週間前までに、堆肥を2kg/m²・化成肥料(15:15:15)を100g/m²を畑に施して、幅30~60㎝以上、高さ10㎝の平畝を作りましょう。
苗を植える条数(列の数)に合わせて幅を調整してください。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
シソには、「青ジソ」「赤シソ」「青チリメンシソ」「赤チリメンシソ」「カタメンシソ(ウラアカ)」といった香りや色が違う様々な品種があります。
栽培方法はどれも同じで、どの品種を選んでも収穫までたどり着く難易度は変わりません。
青ジソは食用に使うことが多く、赤シソは梅干しや生姜の色付けなどに使うことが多いので、目的に応じて育てる品種を選ぶとよいでしょう。
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ルッコラ(シソ)は直まき(用土に種をまく方法)とポットまきができます。
シソの種は乾燥に弱いので、露地栽培ではポットまき、プランターでは直まきがおすすめの種まき方法です。
ポットに種をまく時は、1か所あたり3~4粒まきます。シソの種が発芽するには光が必要なので、種をまいた後の覆土は薄く被せるようにしましょう。
直接畑に種をまくときは用土に瓶やペットボトルの底などで小さなくぼみをつけて点まきします。
畑に直接種をまく時は株間を30~40㎝確保してポットまきと同じ要領で種をまきましょう。
種は筋まきしてもかまいません。棒などを押し付けて、深さ5mm程度のまき溝を掘って種を1㎝間隔で並べます。種をまいたあとは周辺の用土を薄く被せておきます。
種をまいてから発芽するまでの間は乾燥しないように用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
水やりの勢いが強すぎると、せっかく植えた種が表面に浮き出てしまうので注意してください。目が細かいハス口のジョーロで水やりをすると種が表面に浮きでたり流れてしまったりすることを防げます。
シソをポットまきから育てている時は、芽が出てから本葉1~2枚になった頃に成長の良い苗を1本だけ残して他の苗をすべて間引きます。
筋まきした時は、発芽がそろったときが1回目の間引きのタイミングです。育ちの悪い株を手で抜き取るかハサミで根元を切り取って、葉と葉が触れ合わない程度の間隔に間引きましょう。
筋まきした時の2回目以降の間引きは、葉が込み合った頃に何回か行います。最終的に株間が30~40㎝になるように苗を間引きましょう。
4月以降になるとホームセンターや園芸店でシソの幼苗が販売され始めます。
家庭菜園になれていない方や栽培する株数が少ない場合は、苗を購入するのもおすすめです。
シソの良い苗の見分け方のコツは、葉の艶が良く葉先が萎れていないもので、節の間隔が詰まっている者、茎が太くてしっかりしている苗を選ぶことです。
葉や茎に害虫の食害跡があるものや葉が黄色く病気の疑いがある元気のない苗も避けましょう。
シソは本葉が4~5枚になっている苗を選べば、購入してすぐに植え付けることが出来ます。
苗が小さい時や気温が低い時(日中の気温が20℃以下)は、栽培適温になるまではしばらくポットで育て、本葉が4枚以上になってから植えつけましょう。
気温が低すぎるときや苗が小さいときに植え付けると、枯れたり病害虫の被害に遭ったりします。
シソの植え付け適期は5月~7月で、本葉が4~5枚になったら苗を植え付けがはじまります。
苗を植え付ける時は、ポットより一回り大きな植穴をあけておき、ポットから取り出して根鉢を壊さないように丁寧に植穴に入れましょう。
その後は周辺の土を被せて、株元を手のひらで上から軽く抑えて根を密着させてやります。苗を植えてから根付くまでの約1週間はたっぷりと水やりを行いましょう。
シソの苗は植付ける間隔が近すぎると、株同士が水や養分を奪い合って株の成長が悪くなるので密植にならないよう注意しましょう。
株間はプランターでは20㎝、露地栽培では30~40㎝ほど確保します。シソは半日陰でもぐんぐん育つので、株間をあまり広くとる必要はありません。
シソはやや多湿を好み乾燥を嫌います。
種をまいてから発芽するまでの間と苗を植え付けてから根付くまでの間は水切れを起こさないように注意しましょう。
与える水の量ですが、草丈が伸びてくると乾燥しやすくなるので、土の表面が乾かないようにこまめに水やりをしましょう。乾燥がひどいときは敷き藁などを敷いて乾燥防止に努めます。
シソの水やりは他の野菜に比べて少し多めです。夏場の高温期に水切れを起こすと、株の生育が極端に悪くなるので注意しましょう。
シソの収穫時期は草丈が30㎝以上になって本葉が10枚以上になった頃。種まきからは約85日、苗を植え付けてからは約60日が目安です。
シソの収穫の方法ですが、葉の付け根をハサミやナイフで切り取るか手で摘みとって収穫しましょう。収穫はじめの頃の葉は硬くて味も落ちるので、それ以降に出た若い葉を収穫します。
シソは先端の葉や開いたばかりの葉を摘み取ることでわき芽(側枝)の発生を促すことができます。
シソは必要な分だけを摘み取っていると若い葉が次々と出て葉が覆い茂ってしまいます。
収穫が遅れた葉は厚く固くなって品質が悪くなってしまうので、草勢が強くなりすぎた時は、余分な茎葉は摘み取りましょう。
シソの葉の収穫は夏の終わり頃まで続きます。
夏の終わりになると花穂が付きますが、花穂を摘み取ったものが穂ジソ。この穂ジソも刺身のつまなどに利用することができます。
花穂をそのままにしておくと実ジソとして食べることが出来ます。実ジソは未熟果をしごいて収穫しましょう。実ジソは佃煮にすると美味しく食べることが出来ます。
シソは高温を好み反日蔭でも育つほど丈夫で手間のかからない野菜です。土質も選びません。
種まきと苗の植え付けは気温が20℃を超えてから。追肥と水やりをしっかりと行えば丈夫に育ちます。
シソは種を採取すれば翌年以降に利用できますが、9月~翌年3月頃までは休眠しているので、自然に種が落ちても4月頃までは発芽しません。
種はこぼれ種ではなく採取して貯蔵したおいたものを利用しましょう。種は乾燥に弱いので、適度な湿度を含んだ新聞紙で包んでおくかプラスチックトレーなどに入れて冷蔵庫で保管しておけば1~2年は保存できます。
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