キョウナの栽培方法(種まきから収穫まで)を野菜栽培士が画像を交えて詳しくご紹介します。
キョウナの苗の植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
キョウナをプランターや露地で上手に栽培しましょう!
キョウナ栽培Menu
・キョウナの栽培難易度
・キョウナ栽培カレンダー
・キョウナ栽培のコツ
・キョウナのプランター栽培
・土作りと畝作り
・キョウナの育てやすい品種
・キョウナの種まき
・キョウナの植え付け方
・キョウナの間引き方
・キョウナの水やり
・キョウナの追肥時期
・キョウナの収穫
・キョウナ栽培まとめ
・キョウナの害虫対策
・キョウナの病害対策
キョウナ栽培
難易度 ★★☆☆☆
キョウナ(京菜)は日本が原産地の野菜です。京都で盛んに栽培されてきたことからキョウナと呼ばれています。
アブラナ科の野菜で関東では「キョウナ」と呼びますが、関西では「ミズナ」とも呼ばれています。寒さに強く育てやすい人気の野菜です。
「水と土があれば育つ」と言われるほど栽培は容易で、小型のプランターや植木鉢などの狭いスペースでも丈夫に育ちます。
盛夏(7月~8月)と厳寒期(1月~2月)を除いて栽培が可能です。家庭菜園に慣れていない方は、春まきか秋まきから始めてみましょう。秋植えで外葉を摘み取りながら収穫する場合は、1月頃まで収穫を楽しむことができます。
キョウナに含まれる栄養は、ビタミンA・C・カルシウム・カリウムなどが豊富に含まれています。日本で古くから栽培されていたこともあり、なべ物や卵とじ、おみそ汁の具など料理のレシピも豊富です。
キョウナを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ(60㎝程度)のものを利用して育てましょう。
キョウナの株の直径は20cm前後なので、標準サイズのプランターなら3~5株は栽培できます。幅のあるプランターなら2列に植えることも可能です。
キョウナは丈夫で育てやすい野菜なので、小型のプランターや植木鉢などで少株なら育てる事も可能です。
キョウナの栽培用土は市販の培養土を利用するとすぐに植え付けできるので便利です。
自分で用土を作る時は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を用意しましょう。
自分で土作りをするときは植え付け(種まき)の2週間前までに終わらせておきます。
プランターに入れる用土の量は、ウォータースペースを残して、鉢の縁から3~5㎝程度にしておきます。
プランターの淵ギリギリまで用土を入れてしまうと、水やりや降雨の時に流れ出して、周辺を汚してしまいます。
また、まし土(用土を足すこと)をするときのことを考えて少なめにしておきましょう。
露地栽培の場合は植え付けの約2週間前に、石灰を150g/m²入れてよく耕しておきます。
キョウナの土壌酸度(pH)は、6.0~6.5が適正値です。
植え付けの1週間前までに、堆肥を2kg/m²・化成肥料を(15:15:15)100g/m²を畑に施して、幅40~60㎝、高さ10㎝の平畝を作っておきましょう。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると、石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
キョウナは基本的にどの品種を選んでも良く育ちますが、栽培地の環境にあった品種を選びましょう。
サラダには「京水菜」細葉でアクが少ない「京みぞれ」漬物や煮物に向く「広茎京菜」京漬物で有名な「ミブナ」が人気です。
残った種は冷暗所(冷蔵庫など)で保管すれば、2~3年は発芽率を落とさずに保存することが可能です。
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キョウナの種まきは春と秋の2回で、発芽適温は15~25℃です。
キョウナをプランターで育てる時は10~15㎝の条間を取り種を1㎝間隔で1粒ずつ並べてまきましょう。
キョウナは好光性種子なので穴の深さは5㎜以下とします。種をまくときに、写真のような支柱などを押しつけて溝を作るときれいに種を並べることができます。
露地栽培で畑に植える場合は、20㎝の条間を取り1~2㎝の間隔で筋まきします。種をまいた後は、まき溝周辺の土を指でつまむようにして溝穴を埋めておきます。
大株取りをする場合は株間30㎝で1箇所に7~8粒点まきします。あまり密接して蒔きすぎないように注意しましょう。
キョウナを露地で栽培するときや気温が低い春まきでは、種まきから発芽させるまでの水と温度の管理が難しいので、ポットまきがおすすめです。
ポットに種を3~5粒ほどまいて、本葉が4~6枚になるまで育ててから定植します。
気温が低いときはビニルハウスや衣装ケースの中で発芽適温(日中の気温15~25℃)をキープしながら育苗しましょう。
種をまいた後はたっぷりと水やりを行ってください。キョウナ(京菜)は乾燥に弱いので、本葉が5~6枚程度に育つまでは水を切らさないようにする事がポイントです。
キョウナの種が発芽しない原因はいくつかありますが、主な原因は発芽までの乾燥と光量不足です。
キョウナの種をまいたあとは、新聞紙や不織布(キッチンペーパーでも代用可能)などを被せておき、発芽までの乾燥を防いでやりましょう。
キョウナは好光性種子のため、種を地中深くに埋めてしまうと発芽率が悪くなってしまいます。種には薄く覆土しましょう。
キョウナの種が発芽しない時にチェックすることは、種を深くまき過ぎていないか、種まき後から発芽までの水やりを行っているかです。
種は浅くまき発芽が揃うまで水を切らさないようにする事が発芽率を上げるポイントです。
キョウナの発芽日数は種まきの時期にもよりますが、通常は3日~7日ほどで発芽します。
キョウナは移植(植え替え)ができる野菜です。植え付けの季節になるとホームセンターや園芸店などで植え付け用の苗が販売されています。
苗が小さいと移植に失敗しやすいので、慣れないうちは本葉が4~6枚のものを選びましょう。茎葉が濃い緑色で虫食い跡がなく病気に掛かって枯れたり萎れたりしていない苗が良品です。
苗を植え付ける時は、植え付ける場所に根鉢(ポット)より一回り大きめで根鉢の上部が少し出る高さの植穴を空けておきます。
根鉢を壊さないようにポットからそっと取り出して穴の中に置きます。
苗を植え付けた後は根と用土を密着させるため、周辺の用土を根元に寄せて手のひらで軽く押さえておきましょう。
プランターに苗を植えるときは、プランターに入れる用土の量をポットの高さの分だけ少なくしておき、ポットをおいて後から周辺に土を入れるようにすると簡単です。
苗を植え付けたあとは、苗が根付くまでたっぷりと水を与えましょう。苗が根付くと茎葉が勢いよく成長を始めます。
キョウナの種を蒔いたあと発芽するまでの間は、用土が乾かないようにたっぷりと水やりをしましょう。
その後は土の表面が乾かないように多めに与えます。キョウナは寒さに強いので冬の間も十分に与えてやりましょう。用土が乾きすぎると生育が悪くなります。
キョウナは小株(20~30㎝)で収穫する時は追肥をする必要はありません。肥料が多すぎると茎葉が固くなってしまうので注意しましょう。
追肥のやり方ですが、株周辺に肥料を均一にまいて、表面の用土と軽く混ぜ合わせて株元に寄せてやります。
キョウナを大株で収穫する時は最後の間引きが終わったタイミングで1回目の追肥を行いましょう。化成肥料を1株当たり10~20g施します。
プランター栽培の場合は水やりを兼ねて液肥を週に1回与えてもかまいません。
2回目の追肥は草丈が20cmを超えた頃に施します。収穫するまでに2~3回、株の勢いや葉の色を見ながら適宜与えます。外葉を摘み取って長期収穫するときは2~3週間おきに化成肥料を10~20g施しましょう。
キョウナは「小株取り」「大株取り」「外葉から摘み取る」の3つの収穫方法が楽しめます。
キョウナは種をまいてから、春まきで約60日、秋まきで90~120日で収穫適期を迎えます。
キョウナの収穫方法ですが、株ごと抜き取るか株元付近をハサミやナイフで必要な分だけ切り取って収穫しましょう。サラダに使う場合は20~25㎝までに収穫します。
サラダにぴったりの柔らかな葉を楽しめる小株取りは、草丈が20㎝以上になったときが本格的な収穫適期です。
キョウナは株別れしながら新芽が伸びるので、根は抜き取らずそのまま残しておくと何回も収穫が楽しめます。収穫したあとは追肥を施しておきましょう。
キョウナの大株取りは株が大きく張り出した頃(草丈が25cm以上)が収穫適期です。
収穫適期を過ぎたキョウナ(京菜)は次第に固くなり食感も悪くなっていきます。固くなった茎葉はサラダには向かないのでお鍋の具や煮物など熱を加える料理に利用しましょう。
キョウナは品種によって子株取りするものと大株取りするものがあります。(両方を兼ねた品種もあります。)栽培している品種の収穫適期を、事前に確認しておきましょう。
キョウナは別名で水と土だけで育つことから「ミズナ」とも呼ばれていますが、やせた土地では生育が悪くなるので、肥料をしっかりと与えて育てましょう。
種まきから発芽するまでは乾燥しないようにします。発芽したあとも水やりは多めにするのがポイント。冬の間もしっかりと水やりをしましょう。
種は一度に全部を植えるのではなく、種まきが可能な10月下旬まで、1週間から10日ほど時期をずらしながらまくと、長期間に渡って収穫を楽しむことが出来ます。
キョウナの生育初期は幼葉が柔らかいので害虫被害に遭いやすいので注意しましょう。
キョウナに良く発生する害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、アオムシ、コナガ類、カブラハバチ、ハイマダラメイガなどのアブラナ科の植物を好む害虫がすぐに集まります。
除去せずに放っておくと一晩で苗が全滅することもあります。害虫被害に遭ったかどうかは「葉に穴があいていないか」「食いちぎられた食害跡がないか」を毎日観察する事です。
早めに取り除いて害虫被害の蔓延を防ぎましょう。
キョウナに発生しやすい病気は、菌核病・白さび病・尻腐れ病・立ち枯れ病・苗立枯病・軟腐病・黒腐病などです。
特にプランターで栽培する時は、日当たりの良い場所で育て鉢底に鉢底石などを敷き詰めて排水をしっかりとおこなう様にしましょう。
排水が悪く酸性土壌になると病気が発生しやすくなります。
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