ハクサイの栽培方法(種まきから収穫まで)を野菜栽培士が画像を交えて詳しくご紹介します。
ハクサイの苗の植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
ハクサイをプランターや露地で上手に栽培しましょう!
ハクサイ栽培Menu
・ハクサイの栽培難易度
・ハクサイ栽培カレンダー
・ハクサイ栽培のコツ
・ハクサイのプランター栽培と土作り
・露地栽培の土作り
・ハクサイの育てやすい品種
・ハクサイの種まき
・ハクサイの種が発芽しない原因
・ハクサイの間引き方
・ハクサイの苗の植え方
・ハクサイの水やり方法
・ハクサイの追肥
・ハクサイの土寄せのやり方
・ハクサイの収穫
・ハクサイが結球しない原因
・ハクサイの害虫対策
・ハクサイの病害対策
ハクサイ栽培
栽培難易度 ★★★☆☆
ハクサイはアブラナ科の野菜でプランターでも露地栽培でも栽培が容易な葉野菜です。
ハクサイは春まきと秋まきが出来ますが、春まきは種まき時期が遅れると結球しにくく害虫の被害も多いため、初心者は夏秋まきの方が簡単でおすすめです。
春まきでは収穫時の気温が25℃以下になるように種まきの時期を逆算して決定しましょう。気温が低い時期に種をまくので、ハウスなどで保温しながら発芽・育苗する必要があります。
春植えも夏秋植えもホームセンターや園芸店などで、ある程度まで育った「ポット苗」が販売されています。
ハクサイ栽培に慣れていない方や少数株を育てたい方は、ポット苗を買ってきて栽培をスタートさせると収穫までより確実にたどり着くことができます。
ハクサイは冬の定番の鍋の具をはじめ、お漬物やシチュー、甘酢炒めなど、様々な料理に重宝します。使いやすく便利な葉野菜として冬の家庭菜園で人気の野菜です。
ハクサイの種まき適期は夏秋まきは8月上旬以降、苗の植え付けは9月上旬~10月中旬頃まで。収穫までは種まきから約2か月です。
ハクサイを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ以上(60㎝程度)のサイズを利用して育てましょう。
葉の直径は40~50cm以上になります。大型のプランターなら2株を栽培できます。ミニ種のハクサイの場合は、標準サイズのプランターでも2~3株は栽培することが出来ます。
ハクサイ栽培では排水性が良く肥沃な用土を利用しましょう。市販の培養土を利用すると袋を開けてすぐに種まき(苗の植え付け)ができるので便利です。
自分で用土を配合して作る時は、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10~20gと化学肥料を用土10ℓ当たり10~20gを混ぜ合わせた物を使いましょう。
露地栽培でハクサイを育てるときの土作りは、種まき(苗の植え付け)の2週間前に、石灰を150g/m²を施してよく耕しておきます。
ハクサイの適正なpH(土壌酸度)は6.0~6.5です。
植え付けの1週間前には、堆肥を2kg/m²・化成肥料を(15:15:15)100g/m²を畑に施して、幅70㎝、高さ10㎝の平畝を作っておきましょう。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると、石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
ハクサイは生長の早い春まき用の品種(早生種)と夏秋まき用の品種(中生種・晩生種)があります。
栽培する地域の環境にあった品種を選ぶことが品種選びの最大のポイントです。
ハクサイで育てやすいおすすめの品種には、「お黄にいり」「黄味小町」「プチヒリ」「めんこい」などがあります。
ミニ種は普通のハクサイの1/4ほどの大きさ(約600g)なので、1回使い切りサイズで少人数の家庭では重宝する品種です。ミニ種はプランター栽培におすすめです。
残ったハクサイの種は冷暗所で保管すれば、2~3年は発芽率を落とさずに保存することが可能です。
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ハクサイの栽培になれていない方やプランターなどで少ない株数を育てる方は、ホームセンターや育苗店などで苗を購入して栽培をスタートするのがおすすめです。
苗を選ぶときに注意する点は、育ちすぎていない苗(本葉が多すぎない苗)を選ぶようにすることです。葉の数が多すぎると根付きが悪くなるので、本葉が4~5枚の苗を選ぶようにしましょう。
また生育がよい苗(緑色が濃く徒長していない苗)、害虫によって葉の食害にあっていない苗、葉が変色していない苗を選ぶようにします。
葉に食害がなくても害虫の卵や小さな幼虫が付いていることがあります。葉の表だけでなく葉の裏側まで、購入する前(植え付ける前)にしっかりと確認しておきましょう。
ハクサイの葉の直径は40~50cm以上になります。球を大きくするためには株を大きくすることがポイントになるため、密植のし過ぎに注意して植え付けましょう。
プランターで育てる時は、1つのプランター(植木鉢)に1株まで、大型のプランターなら30㎝以上の株間を取って苗を2株までとします。
露地栽培の場合は最低でも30~40㎝の株間を確保して苗を植え付けましょう。
苗の植え付け方ですが、植える場所にポットより少し大きめの穴を掘っておきます。
ポットから根鉢を壊さないようにそっと取り出して穴の中に入れます。
苗を植え付けたあとは、株元に土を寄せて手のひらで軽く株周りを押さえて土と根を密着させておきましょう。
苗を植えたあとは水をたっぷりと与えて、根の活着(発根)を促してやります。
ハクサイの根は一度切れると新根が出にくいので、ポットから取り出すときと植え付ける時は細心の注意を払いましょう。
ハクサイは、株間が十分に確保できていないと隣の株同士が競合してしまい、葉数が少なくなったり結球しにくくなったりするので注意します。
ハクサイは苗を植え付けたあとは根付くまでの間はたっぷりと水やりをしましょう。根付いたら新葉が出始め葉が急激に大きくなり始めます。
根付いたあとの水やりですが、用土の表面が乾燥したタイミングでたっぷりと水やりを行います。
夏秋まきは8月~9月上旬の高温が続く時期は、朝の気温が上がる前に水やりをします。春まきと夏秋まきの気温が低い時期は気温が上がり始める時間帯に水やりをしましょう。
高温期の気温が高くなり始める時間帯の水やりは太陽光や熱で根や茎葉を傷める原因に、低温期の気温が下がり始める時間帯の水やりは凍害で茎葉を傷める原因になってしまいます。
ハクサイを育てる時は土寄せをしっかりと行うようにしましょう。土寄せしておくことで結球時期の株をしっかりと安定させことができます。
苗の植え付け(種まき)から結球するまでの間は、株が傾いていないか、ふらついてないか、株元をよく観察して、こまめに土寄せ行っておきましょう。
プランター栽培の場合は、用土が減ったときなど必要に応じてまし土(土を足す)ようにします。
ハクサイは根を浅く張る野菜で、結球が始まると株間に細根がたくさん伸びています。細根を傷つけると球の生長に影響が出るので、結球が始まったら土寄せはなるべく控えるようにしましょう。
ハクサイの収穫適期は種まきから60~100日経った頃になります。ミニ種は普通の白菜に比べて栽培期間が短く、植え付けてから約40日ほどで収穫期を迎えます。
見た目で収穫時期を判断するには、結球した頭の部分を手で押さえることで分かります。抑えてみて球(中の葉)が固く締まっていれば収穫適期です。
ハクサイの収穫方法ですが、結球部を斜めに倒してナイフなどで外葉と一緒に株ごと根元から切り取って収穫しましょう。
球だけ収穫しようとすると難しいので、外側の固い葉と球を一緒に切り取って、あとから不要な外葉をむしり取ると収穫しやすくなります。
病原菌や細菌が土壌に残ると翌年以降の野菜に病気が感染することがあります。切り取った不要な外葉や根は畑に放置しないで、場外で処分しましょう。
収穫したハクサイは新聞紙や広告紙などに包んで、温度変化の少ない冷暗所や風通しの良い場所で保管すると長持ちします。(冬期の場合。夏は冷蔵庫で保存しましょう。)
ハクサイに先ほどの防寒対策をしておけば、春前までなら植えたままで保存しておくことが可能です。
秋以降の気温が低い時期に収穫が始まるハクサイは、使う量だけ収穫して使わない株は抜かずに畑に置いたまま保存するのが賢い収穫方法です。
ハクサイが結球しない原因はいくつかありますが、植え付け時期と植え付け方が主な原因です。
苗の植え付け時期が遅れたときに葉数が少ないまま低温や高温にさらされてしまうと上手く結球しません。
また苗の植え付け方が悪く、根の活着(根を張ること)が上手くいかなかったときも成長が遅れ結球しない原因になります。特に春まきでは結球が始まる時期が高温になっていると結球に失敗しやすいので種まきの時期に注意しましょう。
結球しなかったハクサイをそのまま育てると春にトウ立ちしてやがて花が咲きます。花が咲く前の蕾(ナバナ)はお浸しや辛し和えにすると美味しく食べられます。万が一結球に失敗してもそのまま育ててみましょう。
ハクサイの生育初期は害虫被害に遭いやすいので注意しましょう。
ハクサイに良く発生する害虫は、アオムシ・ヨトウムシ・アブラムシ類・ハイマダラノメイガ・ダイコンハムシ・タマナンキンウワバ・コナガです。
除去せずに放っておくと一晩で苗が全滅することもあります。「葉に穴があいていないか」「食いちぎられた食害跡がないか」を、こまめに毎日観察する事が大切です。
早期発見を心掛け害虫を見つけた時は必ず処分しましょう。
特に種まき直後と苗を植え付け直後の幼苗期の頃は害虫の被害に最も合いやすい時期です。
トンネルに寒冷紗やビニルシートを掛けて、害虫の飛来から苗を守ってやりましょう。
成長点が食害に遭うと、それ以上の生育が止まり結球しなくなってしまうので、結球が始まった頃の害虫チェックも必ず行いましょう。
ハクサイに発生しやすい病気は、菌核病・尻腐病・軟腐病・黄化病・根こぶ病などです。
ハクサイの病害は高温多湿の環境下でよく発生します。土壌の排水対策をしっかりと行いましょう。
特にプランターや植木鉢で栽培する時は、鉢底に鉢底石などを敷き詰めると排水対策になります。
症状が少ない時は傷んだ葉を摘みとって環境を改善して様子をみます。症状が重くなったり広がりそうなときは、病害にかかった株を抜き取るか薬剤の散布を検討しましょう。
病害が畑中に広がる前に、早めに対策を行うことがポイントです。
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