シュンギクの栽培方法(種まきから収穫まで)を野菜栽培士が画像を交えて詳しくご紹介します。
シュンギクの苗の植え付け方や収穫方法はもちろん、水やりと追肥の方法や病害虫対策まで。
シュンギクをプランターや露地で上手に栽培しましょう!
シュンギク栽培
難易度 ★☆☆☆☆
シュンギクはヨーロッパ原産のキク科の野菜で、冷涼な気候を好みます。
関東では中葉種、関西では大葉種が人気です。種まきから収穫までの期間が短くて栽培の管理も簡単で、初心者向け・プランター栽培にもおすすめの野菜です。
春まきは塔立ち(主枝が伸びて花が咲くこと)するので、株ごと抜き取って収穫し、秋まきは株元を少し残して収穫すれば側枝が伸びて何度も収穫を楽しめます。
シュンギクは特有の香りがあり、ビタミンB2・ビタミンC・カロチンなどのビタミン類の他、カルシウム・カリウムなどのミネラルが豊富に含まれた健康野菜です。
シュンギクの代表的な料理は、鍋物をはじめ、胡麻和え、おひたし、みそ汁の具など。冬の日本の食卓に並ぶ数々の料理に使われています。
シュンギクはアブラナ科の野菜に発生する害虫を防ぐ効果があるため、コンパニオンプランツとしてもおすすめです。
シュンギク栽培Menu
・シュンギクの栽培難易度
・栽培カレンダー
・シュンギク栽培のコツ
・プランター栽培と土作り
・露地栽培の土作りと畝作り
・シュンギクの育てやすい品種
・シュンギクの種まき
・シュンギクの苗の植え方
・シュンギクの水やり
・シュンギクの追肥方法
・シュンギクの収穫
・シュンギク栽培まとめ
・シュンギクの害虫対策
・シュンギクの病害対策
シュンギクの種まき時期は、春まきが4月上旬~5月上旬まで、秋まきは9月中旬~10月中旬までです。収穫時期は、種まきから40~60日です。
シュンギクを栽培するときのプランターサイズは標準タイプ(60㎝程度)以上のものを使用します。
シュンギクの株間は15~20cmなので、標準サイズのプランターでも3~4株なら植えることができます。
小型の植木鉢でシュンギクを育てる時は、1つの鉢に1株としましょう。1つの鉢に苗をたくさん植えると収穫量が減ってしまいます。
シュンギクをプランターで育てる場合は、市販の培養土を利用すると袋から開けてすぐに植え付けができて便利です。
自分で用土を作る場合は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1、それに石灰を用土10ℓ当たり10gと化学肥料を用土10ℓ当たり10g混ぜ合わせたものを利用しましょう。
植え付け前の準備として、市販のプランターにウォータースペースを残して、7分目までくらいまで培養土を入れておきましょう。
用土を入れ過ぎると、土寄せ(株元に土を寄せる)をする時に水やりや降雨の際に、プランターの縁より用土が流れ出てベランダが汚れてしまう原因になります。
露地栽培でシュンギクを育てる場合は、植え付けの約2週間前に、苦土石灰を100g/m²を施して丁寧に耕しておきます。
シュンギク栽培に適した土壌酸度(pH)は6.0~6.5です。このときに小石などの障害物があれば取り除いておきます。
植え付けの1週間前までに、堆肥を2kg/m²・化成肥料(15:15:15)を150g/m²を畑に施して、幅40~60㎝以上、高さ10㎝の平畝を作りましょう。
苗を植える条数(列の数)に合わせて幅を調整してください。
苗を植え付ける1週間までには全ての土作りを完了させておきましょう。土作りが終わってすぐに苗を植え付けると石灰のアルカリ分が強く根を傷めてしまう原因になります。
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シュンギクは年に2回の種まきができます。種まき時期は春と秋ですが、春まきよりも秋まきの方が害虫の被害も少なく長期収穫を楽しめておすすめです。
シュンギクは種をまいてから3~7日で発芽が始まります。気温や水分量などによって発芽日数が早まったり遅くなったりすることがあります。
種まきは畑に直接種をまく方法(直播)とポットにまく方法がありますので、栽培のスタイルによって種まきの方法を選ぶとよいでしょう。
たくさんの株を育てるときや間引き菜を収穫しながら育てるときは筋まきがおすすめです。
種をまく場所に支柱や木の棒で深さ約1㎝の溝をつけて、種と種が重ならないように5~10㎜の間隔で種をまきましょう。
シュンギクの種は、やや好光性(光を必要とする)なので、用土は薄く(3~5㎜)かけるのがポイントです。深すぎると発芽しにくくなります。
種をまいたら用土の上から手のひらで軽く抑えて種と用土を密着させてやります。種をまいたあとはたっぷりと水を与えましょう。
少ない株数を育てるときや、害虫の被害に遭いやすい時期、育苗管理がしにくいときは、ポットまきがおすすめです。ポットに種をまくときは、1か所あたり4~5粒ほど種をまき、本葉が3~4枚になるまでそのままポットで育てましょう。
シュンギクの苗は、一度にすべてを抜かずに2~3回に分けて間引くようにしましょう。
苗が小さいときは害虫や病気の被害にあいやすく、せっかく発芽しても途中でダメになることがあるからです。
1回目は発芽が揃った時で苗が込み合ったところを間引きます。2回目は本葉が2~3枚に育った時、3回目は草丈が4~5㎝になった時が間引きの目安です。
最終の間引きでは株間が15㎝になるように生育の良い苗だけを残しましょう。
間引いた苗はおひたしやサラダにすれば美味しく食べられます。
ポット播きの場合は発芽が揃ったときに1回目の間引きをします。その後は葉が重なるごとに数回間引きを行って、本葉が3~4枚になる頃に1本立てにしましょう。
シュンギクの間引きのタイミングは葉と葉が触れ合ったときです。間引きが早いと葉が横に広がりやすいので、タイミングと苗の適度な間隔を確保するのがポイントです。
シーズンになるとシュンギクの苗がホームセンターや園芸店で販売されます。
栽培する株数が少ない時やプランターで育てる時は苗を買ってきて育てるのも良いでしょう。
シュンギクの良い苗は、葉の緑色が濃く節目が詰まったもの、害虫の食害跡がないもの、病気に掛かっていないもの。本葉は4~5枚程度のものを選ぶようにしましょう。
シュンギクは成長すると株の直径が15~20cm以上になります。苗を植え付ける間隔は、株間15㎝以上、条間15㎝以上あけるようにしましょう。
苗の植え付け方ですが、ポットより一回り大きな植穴を掘り、根鉢を壊さないように丁寧に取り出します。穴の中に入れて株元に周辺のの土を寄せて上からしっかり手で抑えて根と用土を密着させましょう。
苗を植え付けたあと定着する(根付く)までの約1週間は、たっぷりと水やりをします。根付くと茎葉の生長が早くなっていきます。
シュンギクは種をまいたあと発芽が揃うまでの間は用土が乾燥しないように水やりを行いましょう。
水やりのポイントは種が流れてしまわないようにハス口をつけたジョウロで丁寧に行うこと。
勢いよく水やりを行うと、種が表面に浮き出て発芽不良の原因になります。
種まきから7~10日で発芽が揃いますが、その後は用土の表面が乾いたら毎日水やりを行いましょう。
幼苗の時期は、苗が弱いので水やり時に倒れてしまわないようジョウロの水を手に受けて株と株の間に水をかけるのがシュンギクを上手に栽培するポイントです。
苗を植えてから2週間ほどするとグングン成長を始めます。シュンギクは水を与えすぎると病気に掛かりやすいので注意が必要です。
シュンギクは気温が低い冬季でも成長を続けます。水やりを忘れずに行います。気温が低い時期は午前中の気温が上がり始める前に水やりをしましょう。
シュンギクは種まきから2~3か月で収穫適期を迎えます。草丈が15㎝を超えた時が収穫のタイミング。
春まきでは「塔立ち」してしまうため株ごと抜き取って収穫するのが一般的で、秋まきでは下葉を3・4枚残して収穫すれば長期間の収穫が一般的です。
秋まきで外葉を摘み取るときは、下葉を4~5枚ほど残して先端を摘み取りながら収穫します。次々と側枝が伸びて春前まで収穫を楽しめます。
何度も収穫を楽しみたいときは「摘み取り用品種」を選ぶようにしましょう。
シュンギクは名前の通りキク科の植物です。
実はシュンギクを食用にするのは日本をはじめ東南アジアの一部の国だけ。ヨーロッパでは観賞用としてしか利用されることはありません。
春まきは収穫せずに株をそのまま残すと菊に似た黄色の可愛い花を観賞することが出来ます。
シュンギクは関東以北は「シュンギク」関西では「キクナ」と呼ばれ、品種によって葉の形や茎の太さが違います。
好みの品種を選んで育てるのもシュンギク栽培の楽しみの一つ。
初心者向けの簡単な野菜ですが、乾燥させすぎると葉の縁が黄色くなって生育が悪くなります。栽培の最大のコツは水やりのタイミングです。
また、寒冷地での秋植えは冷害を受けることがあるので、トンネル掛けをするなど冷害対策をしっかりと。冷害を受けると葉が黒く傷んでしまいます。
秋まきで摘み取りを行う時はトンネル掛けを不織布と寒冷紗の二重にすると冬越しをさせることも可能。冬場まで株を持たすことが出来れば、お鍋の季節に重宝することでしょう。
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